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魔法少女リリカルなのはINNOCENT 〜漆黒の剣士〜
第34話 「憧れの人」
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「……何度食べても素晴らしい味だ」

 と、目の前に座っているディアーチェが口にする。
 ここに至る経緯を説明すると、私とディアーチェは翠屋に到着してそれぞれ注文をした。まあ飲み物が違うだけで頼んだのはお互いシュークリームなんだけど。お母さんのお菓子は何でも美味しいけど、やっぱりシュークリームが1番だし。

「ディアーチェもそんな風に頬を緩めて食べるんだね」
「む、人の食べている姿をあまり見るでない……というか、貴様は我の事を何だと思っておるのだ。確かに同年代よりは料理ができると自負はしておる。故にそれなりに味覚も優れているとは思うが、我よりも優れた腕を持つ人間は世の中に五万と居るのだ。まあこれほど美味なシュークリームを作れるパティシエはそうは居らんだろうがな」
「そこまで褒められると……何か娘として恥ずかしいね」
「何を恥ずかしがることがある。桃子殿は母親としてもパティシエとしても優れたお方ぞ。誇っても良いくらいだ……我の母君もあのような方であったなら」

 何だか頭を抱えてるけど……ディアーチェのお母さんって悪い部分でもある人なのかな。ディアーチェの性格的に言葉遣いはあれかもしれないけど、良いお母さんな気がするんだけど。

「会ったことはないからあれだけど、私としてはディアーチェのお母さんなんだから良いお母さんな気がするよ」
「いや、まあ……良い母君ではありはするのだが。その、なんだ……意外とユーモアに溢れる人でな。顔を合わせる度にショ、ショウとの関係は進んでおるのかなどと聞いてくるのだ」
「それは……うん、大変だね。私も何となく分かるよ。私のお母さんもたまにだけどそういうこと言ってくるし」
「ふむ……母親というのはどこも似たようなものなのかもしれんな。子供の恋愛にすぐ首を突っ込みたがる」

 まあ義理とはいえ将来的に自分の子供になるわけだから気になるのは分かるけどね。ただ私達はまだ結婚とかできる年齢でもないんだから首を突っ込むのは早いと思う。
 その……誰かと付き合い始めたりしたらアドバイスとかほしいけど。その前に仲良くなるためにどうしたらいいのかって相談に乗ってほしいとも思うけど。

「そうだね。でも……私はお母さんみたいになりたいって思ったりもするよ」

 今言っていたように子供の恋愛に首を突っ込むような発言をする親にはなりたいとは思わないけど。でも自分が母親になったりしたら気持ちにも変化はある気がするし、そのときになってみないと分からないかな。まあまだ時間はあるんだし、今は深く考えないようにしよう。

「まあ子供が親に憧れるのは無理もない話だからな。基本的に良い親であれば尚更……我には母君以外にも目標としたい方が居たりもするが」
「え、だれだれ?」
「そこまで食いつかれると逆に話しにくいのだが…
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