暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはINNOCENT 〜漆黒の剣士〜
第34話 「憧れの人」
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…まあいい。我が母君以外に目標としておるのは明華殿だ。貴様は昔の記憶はあまりないと言っておったから補足するが、明華殿というのはショウの母君だ」
ショウさんのお母さん? ……小さい頃にショウさんだけうちに来るってことはないだろうし、多分会ってるんだろうな。ショウさんとの記憶も忘れてるだけに明華さんって人の顔もまったく分からないけど。
「へぇ……ねぇディアーチェ、ショウさんのお母さんってどういう人なの?」
「簡潔に言ってしまえば……」
そのとき、店内に客の来店を知らせるベルが響いた。別におかしなことじゃないので私は気にしなかったけど、向かい側に座っているディアーチェは入口の方を見たまま固まっている。
シュテルやはやてちゃんでも来たのかな、と考えもしたけど、ディアーチェの顔を見る限りそのふたりではないようだ。もしもそのふたりならここまで驚いた顔はしないだろう。
振り返って確認してみると、そこにはひとりの女性の姿があった。
肩に掛からない程度に整えられた綺麗な黒髪、作り物なんじゃないかと思うほど整った顔立ちと鋭さのある目は人の目を惹きつけるのと同時に近寄りがたい雰囲気を醸し出している。背丈は長身ですらっとしているけど、女性の象徴的な部分はきっちりと出ている。黒のジャケットとパンツスタイルということもあって、女性だけど実にカッコいいと思える人だ。
「あまり人が居なさそうな時間帯に顔を出したつもりだが、そこそこ繁盛しているようだな……ん?」
こちらの視線に気が付いたのか、黒髪の女性の視線が私達の方へと向く。睨まれるのではないかと思ったのもつかの間、彼女は逆に優し気な笑みを浮かべた。クールな外見も相まって破壊力抜群である。きっとギャップというのはこういうことを言うに違いない。
「誰かと思えばディアーチェか。こうして顔を合わせるのは久しぶりだが……やはり子供の成長というのは早いものだな。前に会った時よりも綺麗になった」
「え、えっと……きょ、恐縮です」
「何をかしこまっているんだ。他人行儀な間柄でもないだろうに」
そう言って女性はディアーチェの頭を撫でる。私の知るディアーチェなら恥ずかしがってやめてほしいと騒ぎそうなところだが、今回に限っては赤面はしてるけどされるがままになっている。いったいこの人は誰なんだろう?
「おや……あぁ、なのはちゃんか。久しぶりだね」
「えーと……あの」
「その様子だと覚えてはいないか。まあ無理もない、私がなのはちゃんに会ったのはずいぶんと前のことだからな。私は夜月明華、よろしく」
「あ、高町なのはです。こちらこそ、よろしくお願いします」
頭を下げるのと同時にある考えが頭を過ぎる。
あれ……明華って名前どこかで聞いたような。それもほんの少し前に……それに夜月
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