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ゲート 代行者かく戦えり
第一部:ゲート 開けり
自衛隊 特地へと出陣せん
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柳田二等陸尉も見て分かると思いますが、奴らは過激派テロリストの様に決して諦めません。愛国心なのか矜持なのか分かりませんが、最後まできちんと戦い抜く戦士たちです。
このような優秀な兵士たちには、幾ら我々が技術的に上回っているとはいえ油断は禁物ですよ」


戦闘から一夜明けたアルヌスの丘にて、
陣地の前方に広がる帝国軍の死体の山を横目に見ながら、
特地方面派遣部隊幕僚の1人である柳田 明(やなぎだ あきら)二等陸尉(中尉)は、4・5人の副官を引き連れて戦場跡を観察しながら歩いていた。


彼は防衛大学校を優秀な成績で卒業し、
日頃の言動にエリート意識が漂い鼻につく人間で彼を苦手に思う自衛官は多く、事務畑であるため先日の戦闘には直接参加していないが、
実際にこの光景を見ると当時の現場の自衛官たちの精神的負担が如何に掛かるのかと、視覚的に十分に思い知った。


何せ見渡す限り彼の視界には、帝国軍兵士や怪物の死体の山が映っており、他には臓物の飛び出した死体や風穴が幾つも開いた死体、まだかすかに息が残っているが直ぐに死ぬだろう哀れな生存者、
そして鼻が曲がりそうになるほどの火薬と死臭の匂いが充満し、死体から流れ出た血の池と肉片があちこちに点在する等、ここが自衛隊の作り出した地獄絵図であることが嫌でも彼に認知させる。


だが、この地獄を作り出したのは帝国軍にも一端がある。
最初の砲撃で撤退すればよかったのに逆に侵攻することを選択し、最後まで戦い抜こうとしたのがこの結果だ。同時に帝国軍の士気が高い事を自衛隊は認知し、
下手な対応では決して屈しないことを思い知らされた。何せ彼らは最後の一人になるまで隣の部隊が全滅しても前進を止めず、部隊のリーダーが死んだらすぐに他の人間が指揮官の代役を担ったりと、
専業軍人らしい優れた対応ぶりを見せつけたからだ。


それを踏まえて副官たちは柳田に決して侮らないようにと忠告し、その言葉に彼も素直に同意した。
ここまで見事な散りぶりを見せつけられた彼の心境は、太平洋戦争でバンザイ突撃を喰らったアメリカ海兵隊指揮官のような心境であった。
決して敵は野蛮な連中の集まりで、容易く圧倒できるような存在ではない。油断すると殺される危険な敵だと明確に認識できた。





「だが、これで何とか帝国も我々の実力を思い知っただろう。ここは日本にとって重要な天然資源の宝庫だ。それこそかつての満州の様に、
世界から爪はじきされても構わないぐらいのな。早く採掘に取り掛かりたいから、このまま素直に土下座して賠償してくれれば万々歳なんだがな……」


柳田は思う。このまま日本政府との圧倒的な実力差を思い知り、素直に銀座事件で生じた被害を「帝国」が弁償してくれれば事態は丸く収まり、更に貴重な資源
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