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ゲート 代行者かく戦えり
第一部:ゲート 開けり
自衛隊 特地へと出陣せん
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や盗賊などに一転して治安悪化の原因を作るのだ。ゆえに相互監視の意味合いも込めて兵士たちを密集させているのだ。精神的に周りに多くの友軍が居れば、バラバラに戦うよりも心強いので敵前逃亡するリスクが減るからだ。


だからこそ、密集して方陣や陣形を組んで戦うのは必然だった。兵士たちも隊列を組んで戦うよう訓練されているので、
急に散兵となって戦うなどかなり無理があった。なので帝国軍の総大将は可能な限りバラバラになれる苦肉の策として、
100人隊ごとに部隊を分けて進軍させたのだ。それぞれの隊長の指示に従い、一歩また一歩と偵察部隊がやられた距離まで近づいていく。


この時、帝国軍はやろうと思えば尻尾を巻いてこの場から退却する選択肢も残されていた。しかし、
祖国の事情がそれを許さなかった。今、
「帝国」は絶賛大暴落&大ピンチの真っ最中だ。黒王軍と自由の民この2つの勢力によって国土は荒らされ、国土の25%は占領された状態だ。


属国の連合諸王国は自由の民に鞍替えして堂々と歯向かうし、他の属国や亜人達がそれに感化されて様々なゲリラ活動を繰り返す。そして黒王軍の殲滅戦によって皆殺しにされることを恐れ、小さな村や町の住民が故郷を捨てて大都市へ難民として避難し、大都市の生活・治安事情の悪化を招くなど、
まさに踏んだり蹴ったり&泣きっ面に蜂な状態となっている。このままだと国が崩壊するのは明白なので、何か明確な勝利を得ない限り下手に負けたり逃げることが出来ないのだ。
ゆえに彼らは退却せずに前へ前へと、
知らずに地獄の道を突き進んでいた。


一方、そんな背景などを露知らない自衛隊特地派遣部隊は、
最初MLRS部隊による攻撃で帝国軍を歓迎しようと考え、照準を定めて何時でも打てる態勢を整えて本部からの砲撃開始の命令を待っていた。
同じく155mmりゅう弾砲もその言葉が発令されるのを今か今かと待っており、それが少しでも出されればたちまち地獄絵図が生まれるだろう。


「作戦司令部より全特科部隊に命じる。
撃て!」


ここに地獄が生まれるのが決定した。


命令が出たのでたちまち待ってました!と言わんばかりに、
砲門やロケットが火を噴く。そして飛び出した砲弾やロケットが迫り来る帝国軍の頭上で炸裂し、
破片や子弾を周囲にばら撒いて人体などに大きな穴を穿つ。
特にMLRSから発射されるM26ロケット弾1発で直径約200mを制圧できるので、後に「鋼鉄の雨」と帝国軍に湾岸戦争時のイラク軍の様にMRLSはそう呼ばれ、大きな恐怖と畏怖の念を抱かれる事となった。


自衛隊の砲撃による激しい感激の洗礼を受けた帝国軍は、
一言で言うと悲惨な状態となっていた。
まだ30kmも離れているのに既に先頭の部隊はほぼ文字通り全滅状態(一
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