蒼き君
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て、それを見てしまった彼の動きが止められてしまったのだ。
私はその隙にルビーが引っ張ってくれたからなんとか逃げれたが、アイツはそうできない。完全に直撃コース、女の人が今まさに力を解放しようとしていた時、私はただ叫ぶことしかできなかった。
その窮地を救ってくれたのが、今日うちの学校に転校してきた"美遊・エーデルフェルト"さん。なんとルビーと同じようなステッキはもう一振りあって、彼女はそのマスターであるらしい。私は聞いてなかったが、凛さんはやっぱり知ってたらしい。この人思ったよりかなりのうっかりやさんなんだと思った。
救った人の特権として救助者に駆け寄るのは当たり前だとは思うけど、脇目も振らずっていうのは可笑しいと思うの。私はアニメでいうライバル魔法少女みたいな立場なのに、もうなんか相手にもしないというか鼻にもかけないというか。言ってないけれど、その様にはちょっとショックを覚えた。
その後にもゴチャゴチャとしていたが気がつけば朝、また新しい日がやって来ていて、同時に学校へと登校する必要があることを示していた。
そうしてさっきの通り美遊さんが転校してきたのだけれど……これが予想外で思った以上だった。
まず美遊さんは、とても頭がよかった。私たちが3.14を使って大体という言葉を使って求める答えを見たことも聞いたこともない計算を使って完璧に解いたのだ。理系寄りなんて、アイツとも気が合いそうだなとなにとなしに思った。
続いて美遊さんは、芸術もすごい。自由に描け、と先生の課題。私は特に思いつくものなかったから、なんかこうすごい感じの魔法使いを描いていたのだけど、美遊さんはきゅぴずむ? とかそういうのを使って美術室に飾ってあるようなすごい絵を描いていた。因みに陣が描いてあったからどこか魔法使いっぽい感じがした。
さらに美遊さんは、家事も上手い。ハンバーグ、豚バラとアスパラの肉巻き、ベリーパイにサラダ。これらをフライパン一つで仕上げたのだ。先生はあまりの美味しさに声を荒げていた。どれもアイツの好物だったから、もしアイツがこの場にいて食べてしまっていたら、靡いていたかもしれない。それだけ、彼女の料理はやばかった。
ここまでは超人と言えるだろう美遊さんの活躍、しかしそこで私はストップをかけなければならない。その後にきた時間は体育の時間で短距離走、私が最も得意とする種目の一つではからずも彼女との勝負の時がきたのだ。
――これにさえ負けてしまったら、私の面目は何一つない……!
そう思って挑んだのだが、結果はあっさり惨敗。窓からこちらを覗いた彼が意地悪く笑っていたのだとても印象深い。今日は一緒じゃなかったけど、明日絶対殴ってやる。
『いつまで凹んでるんですか、イリヤさん。帰りましょうよ〜』
「いや、なんか才
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