ベルセルク
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う。協力を拒めば、娘に死んだ方がマシな苦痛を味わわせると……。私には耐えられなかった……要求に従うしかなかった……!」
「要求って……?」
「完全版プロジェクトFATEの研究データ、サヘラントロプスの姿勢制御プログラムに性能実験、核弾頭発射の弾道計算プログラム、小型アルカンシェルの新機能開発……時間が無くていくつか検証が終わっていないのもあるけど、私は娘のために世界を売ってしまった。2年前と同じように……世界より娘を優先した……」
「2年前……サバタがこちら側に来た直後の時期か」
「そして……アリシアも同じような条件を飲んでいたと、ついさっき知ったわ。私が殺されないために受け入れたらしいけど、あの子が飲んだ条件の内容は私も知らされていない。ただ、優しいからこそアリシアは、自分だけが助かる道を選べなかった。私の命なんて見捨てて逃げ出せば良かったのに、それが出来なかった……! ……ごめんなさい、私達は彼の遺志を裏切った……遠からず地獄に墜ちると思う。でも……まだ死ぬわけにはいかない。アリシアを彼らの呪縛から解放するまで、私は死ぬわけにはいかないの……!」
「そんな……なんでこんな事に……!」
悲痛な声でなのはがテスタロッサ家の運命を嘆く。ジャンゴもフェイトと知り合っている以上、なのはの気持ちは痛いほど理解できた。親を利用された経験がある二人は、スカルフェイスが全てを知った上で利用している事に当然の如く憤りを感じていた。
「いつまで話している。これを鳴らしても良いのか?」
未だに戦いが始まらない事に痺れを切らしたのか、スカルフェイスは小さな鐘を見せ付ける。何の変哲もないそれを見たプレシアは、血相を変えて絶望に満ちた表情になる。
「お前達二人にも教えてやろう。私が鐘を鳴らしたら、ブリッジにいるスケルトンがあるところに連絡を入れる。『GO』それだけだ」
「ッ! やめなさい!」
「だがその先は少々複雑だ。連絡はある場所へ届く。ちょっとした空間、大した広さじゃない。そこにアリシア・テスタロッサがいる、私のスカルズに囲まれて。動けないように拘束し、目隠しもして……」
「ま、まさか……!」
「『GO』、その連絡を聞いたら私のスカルズは彼女を破壊する。銃殺、骨折、粉砕、爆破、斬首、火刑……方法はいくらでもある。しかし彼女は精霊……どれだけ傷つけられようとも死なない存在だ。おかげで苦痛は無限に与えられる……この鐘を鳴らす度に、彼女は“殺されては蘇る”のだ」
「なんて卑劣な……!」
「わかったらさっさと始めるがいい。前座に相応しい盛り上げをしてもらわんとな」
あまりに外道な所業に腸が煮えくり返り、怒りで飛び出しかけるなのは。だが迂闊な真似をすれば、そのしわ寄せは人質のアリシアに
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