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リリなのinボクらの太陽サーガ
ベルセルク
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る。そこには左腕の義手を飛ばしたなのはが、沈痛な表情で佇んでいた。

「ロケットパンチって正直なんであるのかわからない変な機能だと思ってたけど、まさかこんな形で役に立つなんてね……。それはともかくビーティー、もうプレシアさんを許してあげてよ。勝敗は既についてる……クローンが創造主に勝利するという目的は達成できたんだよ……!」

「だから殺すなと? だから復讐はこれで終わらせろと? 甘ったれるなよ、ペシェ。これは懸念事項を少しでも減らすためでもあるんだぞ」

「懸念事項?」

「例えこの女を助けたとしても、オリジナルがまだ人質なんだから、向こうの出方次第ではこの女が離反する可能性が高い。内側に爆弾を抱えるような真似をするぐらいなら、このままぶっ倒した方がはるかにマシなんだよ」

「それは否定できないかもしれない。アリシアちゃんが拷問されてる光景を見せられたらプレシアさん、必ずと言っていい程暴走すると思う。でもね、私はプレシアさんだけじゃなくて、ビーティーも助けたいんだ」

「はぁ? 聴覚機能にノイズでも入ったか? ずいぶん妙な事を言ったな、ペシェ。俺がいつ助けなんて求めた? というか、お前に助けられる事なんてあるのか?」

「ある」

「断言したな。もしかして復讐は何も生まない〜なんて偽善じみた馬鹿な事を言うんじゃないだろうな?」

「そうじゃないよ。私、気付いたんだ……ビーティーが目的を果たした後どうするのか。単刀直入に言うけど……フェイトちゃんの手に掛かって死ぬつもりでしょ」

「ほう? あの未熟な完全体ごときが俺を倒すとか、ずいぶん面白い冗談を―――」

「冗談じゃないよ。前に言ってたじゃない、『やる事やった後なら満足して死ねる』って。それにフェイトちゃんと遭遇した時の言動……傍から見ると罵倒してただけに感じるけど、よく思い返してみればフェイトちゃんに後の事を任せられるような事も言ってた気がしたんだ」

「……」

「ビーティー……あなたは試作クローンの存在を世界に刻み、全てのクローンにオリジナルを越える事は可能だと証明したい。それは前にも言ってたからわかってる。でも……その魂胆の内側では、プレシアさんを殺した仇として憎まれる事で、フェイトちゃんにクローンを助けられる力を与えようとしている。そのために最期は憎まれ役として君臨し、その命に幕を下ろす。……違う?」

「………………まいったねぇ、こりゃ。まさかペシェにそこまでの洞察力があったとはマジで驚いたぜ」

なのはの左腕を持ち主に投げ返しながら、ビーティーは苦笑した。キャッチして義手を再装着したなのはは、内心では当たって欲しくなかった予想が本当に正解だったとわかり、彼女に悲しい目を向けた。

「悲しまなくても良いぞ、ペシェ。俺には知らない誰
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