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リリなのinボクらの太陽サーガ
ベルセルク
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、サイボーグの膂力も含めて当たれば文字通り全てを穿つ必殺の一撃であった。

「プレシア・テスタロッサ、お前はその存在自体が俺達クローンを貶める……! 俺は唯一生き残った試作クローンの務めとして、この手で貴様を葬り、全てのクローンをオリジナルの呪縛から解放する!!」

そうしてビーティーは燃え盛る怒りの炎を発現、火の鳥のごとく身体に纏う。倍増したビーティーの殺気を受け、全身が氷水に浸かったような感覚を抱いたプレシアは彼女に触れたら一瞬で殺されると本能的に理解……恐怖に飲み込まれた。

「だ、駄目よ……こんな所で死んだら、アリシアが助けられない! それなのに……!」

何とか発動した飛行魔法で逃げながら魔力弾で迎撃を試みるプレシアだが、ビーティーの炎に触れた瞬間、雀の涙のごとく撃ち消されてしまう。それでも2年前を彷彿させるアリシアを助けたい意地のみで、プレシアは最大威力のサンダーレイジを発動、地面を抉る雷撃をビーティーに解き放つ。

しかし―――、

「無駄だ!」

死に物狂いで放たれた雷撃にビーティーは右ストレートを真正面から放ち、ほんの一瞬だけ拮抗を見せた後、打ち破った。その際に生じた衝撃波が飛行中のプレシアも襲い、姿勢のバランスを崩してしまう。何とか立て直そうとした瞬間、一気に跳躍してきたビーティーに左腕を掴まれ、サイボーグの全力でハンマー投げのようにぶん投げられた事で身体をXOFの戦艦の装甲に衝突させられた。

「カハッ……!! そんな……私はここで終わると言うの……!?」

「死にやがれぇえええええ!!!!」

そして、ついに遮るものが無くなった彼女は左ストレートパンチを撃ち、切り札の一撃(パイルバンカー)を解き放った。

―――ズガァァンッッ!!

薬莢の爆発音、槍の金属音、鼓膜が破れかねない凄まじい爆音が起こる。そして……、

「…………………え?」

パイルバンカーの槍はプレシアの顔のすぐ横を通り過ぎ、後ろに土台として巻き込まれたXOFの戦艦が木端微塵に破壊されていた。色んな意味で思わず唖然の声を漏らすプレシアだが、攻撃を当てなかったのはビーティーの意思ではなかった。

「手が……飛んでる?」

人間の左腕を模したロケットパンチが、ビーティーの左腕を押していた。それで攻撃の軌道がそれて、プレシアに当たらずに済んだのだ。もし当たっていれば今頃、首が破裂してスプラッタな光景が広がっていたことは想像に難くなかった。

ちなみに戦艦がぶっ壊れた事で甲板にいたジャンゴは泡を喰ったように慌てて脱出しているのだが、まああっちは気にするな。

「おいおいおいおいおいおいおい。いい所で俺の復讐の邪魔をするとか、どういうつもりだ、ペシェ?」

唇を尖らせながらビーティーは右方向に視線を向け
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