ベルセルク
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ゴホッゴホッ……!」
口から大量に血を吐き出すプレシア。そんな瀕死の老魔導師の目の前に、復讐のサイボーグがゆっくりと降り立った。
「実に爽快な気分だ……! お前を殴り飛ばせるこの時を、俺は心底待ち望んでいたのだからな」
「ぜぇぜぇ……あなたが現れてから、頭の中がざわざわしてしょうがないのよ……。どうしてあなたを見てると娘の姿が重なるの? どうしてあなたの怒りは罪悪感を刺激してくるの? どうしてあなたは私をそこまで憎んでるの?」
「それがわかっていないからこそ、俺はお前が許せないのさ。……本当に忘れたのか、プレシア? 14年前のあの時、お前が俺達に何をしたのか……」
「14年前……ですって……? もしかしてあなたの正体はあの時の……」
「全ての原因は、お前。お前が不完全な姿で廃棄処分にしたせいで、俺達は自力で生きる事も死んで終わる事も出来ないまま精神が壊れ、同族はイモータルの手でダークマターに浸食されていった。永遠にも感じられる虚無の中へ放り込まれた俺達に、憎しみに身を委ねる以外の選択があったと思うか? 思い出せ、そして省みろ!」
「確かに私は……あの時……あなた達試作クローンを廃棄してしまった。肉体の構築が出来ていなくても、一個の命としてちゃんと生きていたのに……失敗作だからといって塵だめに捨て去ってしまった……」
「クッハッハッハ! 認めたな、殺人鬼!!」
「そうね……私は殺人鬼だわ。14年前も、2年前も、そして今もその事実から目を背けながら、自分のエゴで世界に大きな闇を生み出してしまった……」
「そう、お前は俺達に対して贖罪しなければならない。その身を以って! 俺は消えていった同族の代弁者だ、お前の命をもらわなければ同族の無念が晴れる事は無い!」
「あなたが私を殺したいほど怨むのも、今なら理解できるわ。けど……私はあなたの復讐に付き合ってる場合じゃないの、アリシアを助け出すまでは――――」
「ハァ〜、アリシアアリシアアリシア、お前の頭にはオリジナルの事しか入ってないのか? 死んでいった同族に詫びもせず、ただオリジナルの安否だけ気にするとか……! お前は俺達の怨みの炎に油どころかニトログリセリンを入れた……! 気まぐれでペシェと完全体をちょいと気遣って、少しは反省を聞いてやろうかと思いかけてたんだが、今のでハッキリ理解した。お前と今更話をした所で、何の意味もないとな!!」
面と向かって話したせいでむしろ報復心が増したビーティーは、左腕の大盾に仕込んである切り札の封印を解いた。プレシアを殺すために、クローンの宿命を砕くために磨いてきたオリハルコン製のパイルバンカー。その破壊力を具体的に示すと、最新のL級次元航行艦が展開できるディストーションシールド100枚分を難なく貫通できるほどで
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