第3話 戦士達の決断
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一撃目の剣を盾で受け流して軌道を逸らし、二撃目を放つ手を柄で打ち、手首を捻って頭部に一閃。そのカウンターを一発浴びただけで、シンの足取りに揺らぎが生まれた。
効いていないようだったグランニールの蹴りは、確かに影響を残していたのだ。銅の剣の一閃のみでは、ここまでふらつくことはない。
「ゴ、ォッ……!」
「……!」
すると。それまで制圧前進あるのみで、引き下がる気配などまるでなかったシンの挙動に変化が現れる。地を蹴り、大穴から上の階層へと飛び上がる彼を追い、ダタッツも地上へと向かった。
「……シンが、退いた……! まさか、あれほどの強さとは……」
その戦況を、ただ見ているしかなかったグランニールは、血潮に染まる己の身を引きずり、彼らのあとを追うように歩き出す。その足取りは重苦しく、彼は息を荒げながら天を仰ぐ。
「帝国勇者、か……」
その標準はどこか、憂いの色を帯びていた。
息子を一度殺した男に、息子の介錯を託す。そうせざるを得ない、己の弱さを噛み締めるかのように。
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