第三章 贖罪のツヴァイヘンダー
第47話 王国勇者ダタッツ
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に積んでくれ! ……ふう」
「どーしたんでぇ、親父さん。ため息なんてらしくもねぇ」
「……いや、なに。いなくなっちゃいけねぇ奴がいなくなる――そんな気がしてよ」
彼女の隣では、彼女の父代わりが男達を率いて、復興を進めていた。――明るく、豪快なようで。その面持ちは、どこか儚い。
「む、もうそんな時間か。……行くか、ローク君」
「おう、行く行く! 朝っぱらから荷物だの何だの運んでばっかで、腹ペコなんだ!」
その一方で。彼女の呼び声に応じるように、二人は歩み出して行く。希望に溢れた、笑みを浮かべて。――また、暖かい食事を持って彼らを迎える茶髪の少女も。
(きっと……理由があったんだよね。私は信じるよ、ダタッツさん。――だからどうか、元気で……ね)
人知れず。あの日、恋い焦がれた黒髪の騎士に思いを馳せながら――この国の人々に尽くす日々を送っていた。
――そして、さらに数日が過ぎた頃。
帝国の使者がこの国に訪れた頃には――既に予備団員ダタッツは、騎士団の名簿からその存在を抹消されていた。
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