暁 〜小説投稿サイト〜
ダタッツ剣風 〜悪の勇者と奴隷の姫騎士〜
第三章 贖罪のツヴァイヘンダー
第46話 新たな時代
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士団員の半分以上にはストレート勝ちしてるって話だぜ!」
「な、なんだって!?」

 ギャラリーの喧騒を尻目に――燃えるような赤毛の少年は、自分より遙かに体格で勝る大人の騎士を相手に、互角以上に渡り合っていた。
 それも、単純な腕力で。

「ぬぅ……う!? バカな、こんなバカな!」
「どうしたおっさん、そんなもんか? ――なら、こっちから行くぜッ!」

 騎士団きっての鉄球の使い手であり、アンジャルノンの一番弟子だった騎士。その巨漢が放つ鉄球の一撃を、少年は己の小さな身体で容易に受け止めていた。
 そして――まるで軽いボールのように。その圧倒的な鉄の塊を、投げ返してしまう。

「ごわぁああぁ!」

 その反撃を浴びた巨漢はあっさりと転倒し、戦意を失ってしまう。怯えたように自分を見つめる相手の様子から、それを察した少年は手にした斧を空に掲げ、高らかに勝利を宣言した。

「これで五千七百八十勝。さぁ、次はどいつだ?」
「な、なんだ……お前、なんなんだ!」
「あん? オレかい? オレはな――」

 そんな少年に、巨漢は慄くような声色で尋ねる。赤毛の少年は、その問いに対し……自信に満ちた叫びで、ギャラリー全てに宣言するように答えるのだった。

「――オレの名はマクシミリアン! 帝国最強の騎士になって――勇者を、超える男だァアアッ!」

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