第三章 贖罪のツヴァイヘンダー
第38話 弐之断不要の威力
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なっていた。
「敵襲、敵襲ーッ!」
「城門前を固めろ、門が破壊されている!」
「バルスレイ将軍がやられている!? まだ……五分も経ってないんだぞ!?」
王国騎士達は狼狽しながらも、ただならぬ事態を察して城門前に集結していく。そして、城門を包む土埃の先に、視線を集中させるのだった。
「さて……残る帝国人は報告に向かった騎士と――奴だけか」
「待ちなさいヴィクトリア――うっ!」
一方、帝国騎士団を壊滅させたヴィクトリアは、淡々とした声色で小さく呟くと、次の獲物を狙って歩み出して行く。自身が抹殺の対象とした、王国騎士団がいる方向へと。
ダイアン姫はそれを阻止しようと走り出すが……もう一つの小石が足を掠めていたことにようやく気づき、痛みのあまり立ち止まってしまった。
そうしている間にも、ヴィクトリアは徐々に王宮へと進んで行き――
「あ、あれは……!」
「まま、まさか、あのお方は……!」
――ついに。
「帰ってきたぞ。惰弱な貴様らを生贄に、新たな騎士団を創るためにな」
勇者の剣に囚われし、聖なる血統の末裔は。混沌とした王宮の中へと、足を踏み込んで行くのだった。
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