311部分:第四十二話 空中庭園その三
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第四十二話 空中庭園その三
「戦う場所としてはな」
「その通りだ。しかしだ」
ここでアルデバランも口を開いてきた。また彼が運転している。
「そこで戦うということにこそ何かがあるようだな」
「何かがですか」
「あるというのですね」
「そうだ。思えばこれまでの戦いの場も何かと興味深い場所だった」
アルデバランは運転を続けながらこう述べるのだった。
「黒い森、グランドキャニオン、そして長江のほとりだ」
「そうですね。面白そうな場所です」
「戦う場所としては」
「だが。果たしてそれだけか」
アルデバランの言葉には疑念も含まれてきていた。
「果たして。それだけなのか」
「といいますと」
「何かあるのですか、やっぱり」
「まだはっきりわからないがな」
アルデバランは断定を避けているのだった。
「そう思えてきた」
「ではアルデバラン様」
「それを見極める為に」
他の聖闘士達がそれぞれの口で彼に告げてきた。
「ここは戦いましょう」
「最初からそのつもりでしたが」
「戦うことによりそこから何かが見えてくる」
アルデバランはまた言った。
「何かがな」
「それではいよいよ」
「バビロンですね」
話をしている間にも車は先に進んでいく。それは当然ながらバビロンに近付いているということだった。つまり彼等の決戦の場にである。
「行きますか。それじゃあ」
「どうします?奇襲を仕掛けますか?」
「ここは」
ブリットとニコライが威勢のいいことを提案してきた。
「それで一気に破って」
「そうしますか?」
「いや、それはしない」
アルデバランはそれは却下した。
「奇襲を仕掛けたとしても見破られる。おそらく無数の雑兵達を四方八方に潜伏させているだろうからな」
「それが偵察と警戒にあたっていますか」
「だからですね」
「見つかればそれで終わりだ」
アルデバランは冷静に戦局を見ているのだった。
「それでな。だからそれはしない」
「わかりました」
「じゃあ奇襲はなしですね」
「じゃあどうします?」
「まさかと思いますけれど」
今度言ってきたのはグリーザとチクだった。
「正面からですか?」
「堂々と攻めるんですか?」
「その通りだ。正面から攻める」
それがアルデバランが今回考えている作戦だった。
「わかったな」
「一見何もないようですが」
「それが一番でしょう」
モーゼスとアルゲティはアルデバランのその策に賛成の言葉を述べるのだった。
「おそらくそれが一番問題がありません」
「俺もそう思います」
「ではそれで決まりだ」
アルデバランはそこまで聞いて頷くのだった。
「このまま堂々と正面から攻撃を仕掛ける」
「了解です」
「それでいいです」
青
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