31部分:第三話 ローマへその三
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第三話 ローマへその三
「カレーですが」
「やっぱりそれかよ」
「それしかないと思っていたが」
デスマスクとシュラはそれを聞いてやけに納得した様子であった。
「しかもこれは」
「鶏のものと羊のものだな」
「その通りです」
アフロディーテとカミュに答える。
「インドでは牛肉は食べませんので。ですからシェラスコは」
「そう言うと思って羊のシェラスコも用意しておいた」
何気に気の利くアルデバランであった。
「それを食ってくれ」
「わかりました」
「私はあまりこれといって作れないのですが」
しかしムウはムウで色々と作っていた。
「一応作らせて頂きました」
「何か黄金聖闘士は料理ができる奴が多いんだな」
「貴方はどうですか、アイオリア」
ムウはそのアイオリアに対して問うた。
「ギリシア料理は」
「一応はな」
あるというのだった。
「だが俺のそれは。まあ」
「男の料理か」
アルデバランはすぐに察しをつけてきた。
「いや、これだ」
「これ?」
一同が見たのは茄子と挽肉の重ね焼きとグリーンサラダだった。サラダはオリーブとワインビネガーをふんだんに使っていて快い香りを出していた。
「美味ければいいが」
「少し胡椒が強いと見受けますが」
ムウはそのグリーンサラダ、ギリシアサラタを見て言った。
「ですがそれでかなり味がよさそうですね」
「香辛料はいいんだな」
「はい」
ムウはミロの問いに答えた。
「ネパール生まれですので」
「そうか、御前はネパール出身だったな」
「そうです。ですから」
インドの影響があるので。香辛料が強いのはいい国なのだ。
「大丈夫なのです。カレーもいけます」
「そうなのか」
「ところでミロ」
アイオロスがミロに問うてきた。
「何か」
「御前の料理はないのか?」
「ない」
何の隠し事もない言葉だった。
「そんなものはできない」
「料理はできないのか」
「そうだ」
本当に隠しはしない。
「今も天蠍宮では宮殿の者達が作ってくれている」
「おい、それは駄目だろう」
アルデバランがすぐに突っ込みを入れてきた。
「自分で作らないと」
「その通り」
シャカもそれに賛同する。しかし目は開けない。
「私も既に弟子を持っているが私の分は自分で作っている。時として弟子達にもな」
「目を閉じていてか」
「どうということはない」
シャカにとってはということだった。なお十二宮にはそれぞれ専属の人員がいる。彼等が黄金聖闘士達の世話をしたり宮殿の雑務を行っているのだ。
「私には何も見えているからな」
「そうなのか」
「それよりもだ」
アルデバランはまだミロに言う。
「ミロ、御前も料理をだな」
「だから俺は料理は駄目
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