第3話 不思議なハンター
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ビールが差し出される。
「そんじゃあ、明日の勝利を祝って! かんぱぁーいッ!」
音頭を取る男のタイミングに合わせ、全員がビールを手にする。先に男達がビールをグイッと飲む様を見届けてから、クサンテとデンホルムは互いを見合わせ――コップに口をつけた。
――その瞬間。
「うっ……ぐ!?」
「がッ……!?」
突如、全身に痺れるような電流が迸り――クサンテとデンホルムは、椅子から倒れてしまった。そんな自分達を、ニヤニヤと厭らしく見下ろす男達に、クサンテは驚愕の表情を浮かべる。
「お粗末さまぁ。どうよ? 麻痺薬入りビールの味は?」
(そんな……! 怪しい兆候なんてなかったはずなのに……!)
言葉を発することもできず、身じろぎすることしか出来ない美少女。その年不相応に成熟した肢体に、男達は隠していた邪気を解き放つが如く、舌なめずりをする。
「しっかしたまらねぇなぁ。あんたみたいな上玉が、こんなヘンピなとこに来るとは思っても見なかったぜ。とんだ収穫だ」
「若い娘って言っても、ここらじゃ芋臭ぇ田舎娘しか見つかりっこなかったのによ。こりゃあ、高く売れるなんてものじゃねぇ」
「仲間達も大喜びだろうぜ。――俺達も、お零れに預かれるかもなぁ?」
お零れという言葉に反応し、厨房の方からも下卑た笑い声が響いて来る。その現象が――この事態の裏を如実に物語っていた。
(まさか! 料亭そのものがグルだったというの!?)
(おのれこやつらッ……!)
「さぁて……今夜はお楽しみだぜ、お姫様?」
そして、その男の言葉を最後に――クサンテ達は布で目隠しをされ。
目の前が――暗黒に包まれた。
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