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魔法少女リリカルなのはINNOCENT 〜漆黒の剣士〜
第33話 「王さまと一緒に」
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としても翠屋ばかりだがな。桃子殿の作るお菓子はこの街でも別格の美味さ故……」

 そういう風に言ってもらえるのは娘として嬉しく思うけど、他にも美味しいお店はたくさんあると思うんだけどな。まあディアーチェはグランツ研究所の台所を任せられてるし、それに見合った腕前があるから味覚も私より優れてるのかもしれないけど。

「じゃあ一緒に行かない?」
「貴様とか?」
「だってあんまりディアーチェとこうして話したことってないし、せっかくの機会だから色々と話してみたいんだけど……ダメかな?」
「む……まあ目的地も一緒だからな。別に構わん…………こやつ、シュテルとはあまり似ておらぬと思っておったが、頼みごとをする時の目遣いは似ておるのだな」
「何かブツブツ言ってるみたいだけど?」
「気にするな。ひとりで過ごそうと思っておった心を切り替えておっただけだ。他意はない」

 ディアーチェの場合、別に自己暗示みたいなことしなくても気持ちは切り替える気がするけど……本人が他意はないって言ってるんだから信じるべきだよね。陰口を叩くようなことをした覚えはないし、ディアーチェは陰口を叩くような性格でもないんだから。
 そう思った私はそれ以上ツッコむことはせず、ディアーチェと一緒に歩き始めた。制服姿ばかり見てきたので私服姿のディアーチェはやっぱり新鮮に思う。でも何ていうか、はやてちゃんが着てそうな服だから見慣れてると言えば見慣れているような……。性格はともかく、ふたりって見た目はそっくりだよね。

「先ほどから何やらこちらを見ているようだが、我の顔に何か付いておるのか?」
「う、ううん……制服着てる印象が強かったからちょっと」
「ふむ。別に制服でも良かったのだが……まあ偶にはな」
「偶にって……学校がない日は制服は着なくてもいいと思うんだけどなぁ。ディアーチェだって可愛い服着たいと思うでしょ?」
「べ、別に可愛くなくても……まあ周囲の目を気にしないわけでもないが。とはいえ……私服で街をうろついて小鴉にでも会おうものなら」

 目に見て分かるほどげんなりするディアーチェを見ていると、彼女の考えていることが嫌でも想像できてしまう。
 はやてちゃんって私とかにはそうでもないけど、一部の人にはお茶目な一面を出すよね。具体的に言えば、ディアーチェとか……あとはショウさん。……前から交流があるのは分かるけど、あの距離感で話すのは女の子としてどうなのかな。兄妹みたいなものだって考えれば納得できなくもないけど、はやてちゃんを見ている限りお兄ちゃんとして見てる気はあまりしないし。

「あはは……はやてちゃんもディアーチェともっと仲良くなりたいんだと思うよ」
「それは分かっておる……が、あやつの接し方は過程を飛ばし過ぎであろう。この国には親しき仲にも礼儀ありという言
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