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魔法少女リリカルなのはINNOCENT 〜漆黒の剣士〜
第33話 「王さまと一緒に」
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言えるわけがない。

「なら良いが……本当に大丈夫なのだな?」
「う、うん」
「そうか、ならばこれ以上は何も言わぬことにしよう。だが今後外出中に体調が悪くなったなら迷わず周りを頼るのだぞ。貴様が倒れた方が周囲の者は心配するのだからな」

 私達と比べると尊大な口調で話すディアーチェが王さまといった愛称で呼ばれて慕われるのは、きっと今みたいに周囲のことを気遣うからなんだろう。
 素直じゃなさそうな一面があるように思えるけど、こういうときはアリサちゃんと違ってすんなりと言えるんだ。アリサちゃんだったら別にあんたのためじゃないんだから、とか顔を赤らめながら言いそうだし。

「今度は何を笑っているのだ?」
「ううん、別に何でもないよ。ディアーチェは優しいなって思っただけで」
「な、何を言っているのだ貴様は。別に我は優しくなどしておらぬ。優しいというのは貴様のことをいつも心配しておるくろひよこのような者のことを言うのだ!」

 くろひよこって確かフェイトちゃんのことだよね。確かにフェイトちゃんはいつも自分よりも周りを気遣うから優しい。
 でもディアーチェも優しいと思うんだけどな。アミタさん達との特訓だってディアーチェがお膳立てしてくれたからスムーズに進んだようなものだし。けどこれ以上言うと怒りそうだからやめておこう。

「確かにそうかも……そういえば、ディアーチェがひとりって珍しいね。何か用事でもあるの?」
「いや別に用事と呼べるようなものはない。今日は単純にひとりの時間を過ごしておるだけだ。同じ場所に住んでおったり、同じ学び舎に通ってはおるが、我らにもそれぞれの付き合いや趣味といったものはあるからな」
「そっか、それもそうだね」
「貴様こそ何をしておるのだ? そちらも珍しくひとりのようだが」
「まあ……簡単に言えばディアーチェと同じかな。アリサちゃんやすずかちゃんは習い事があったりするし、フェイトちゃん達はお店の手伝いがあったりするから。だから私は翠屋に行ってまったりと過ごしながら今日の予定を考えようかなって」

 自分の家で考えてもいいけど、家に居るとお兄ちゃんやお姉ちゃんが剣の修行をしないかって誘ってきたりする。昔から度々教わってきたから嫌ではないけど、今は迫りつつあるブレイブグランプリのことを優先して考えたいのが素直な気持ちだ。
 とはいえ、翠屋が忙しそうなら手伝おうかなとは思うけど。翠屋の手伝いをするのは嫌いじゃないし、翠屋の娘でもあるしね。今はまだはっきりとは分からないけど、将来的に翠屋を継ぐことは十分にありそうだから手伝いをしてて損はないから。

「貴様も翠屋へ行くのか。ならば我と同じだな」
「え……ディアーチェも?」
「その意外そうな反応は何だ? 我とて喫茶店のひとつやふたつ行くことはある。まあ行く
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