第七十七話 学校へ
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とネットワークを通して、現実世界やその遠隔地に視覚と聴覚によるやり取りをしようという機械だ。
プローブ内のレンズとマイクに収集されたデータ、それらは携帯端末を介してネットに送信され、フルダイブマシンを経由して、仮想空間にフルダイブしている人に届く仕組み。
レンズはドーム内を自由に回転して、視線の動きと同期して映像を得る。
今回はフルダイブマシンをメディキュボイドに置き換え、専用の仮想空間にいるユウキとランに届くようにした。
いまユウキとランは、自分の体が10分の1くらいに小さくなって、明日奈の肩に座っている感じのはずだ。
考えている間に、ユウキの『そこ』という声が聞こえてきて、それを龍也が調整したのかして、「OK、これで終わりだ。」と言っている。
それから、明日奈に急激な動きは避けること、あまり大きな声を出さないように、などの注意を幾つか言った。
俺がプローブとパソコンを繋げているケーブルを抜き取ったのでこれで自由行動が出来るようになる。
なぜこんなことをしているのかと言うとユウキが『学校に行きたい』と言い始め、それを叶えるためにこれを用意したのだ。
ユウキ『ありがとう、キリト。』
ラン『本当に有り難うございます。 何から何まで。』
明日奈「私からもありがとう、和人くん。 急なお願いだったのに、やってくれて。」
和人「どういたしまして。 まぁ俺達からしても、データが欲しいところだったから、渡りに船だな。 それにユウキも学校に来れたから、一石二鳥だ。」
龍也「んじゃ、何かあったら呼んでくれ。」
それから職員室まで向かう間、ユウキは何かを見つけるたびに小さな歓声を上げていた。
ランは流石に落ち着いているがレンズ越しでも楽しそうな雰囲気が伝わってくる。
その様子を見て、俺達は微笑を浮かべる。
思えば、二人は普通に学校に通っていたとしても中学三年生に当たるから、中高生の通うこの学校は目新しく感じるのかもしれない。
ちなみに、彼女には俺達が『SAO生還者(サバイバー)』であることは既に伝えてあって、ここがその生還した学生達が通う学校であることも。
そして、職員室の前に来た時、ユウキが静かになった。
明日奈「ユウキ、どうかしたの?」
ユウキ『えっと、ね。 ボク、昔から苦手だったんだよ、職員室は。』
ラン『この子イタズラ好きでしたから。』
明日奈「ふふ、大丈夫だよ。 ね、和人くん?」
和人「ああ。 ここの教師は変わった人が多いからな。 良い意味で。」
なんとなく彼女の言葉の意味が理解できたので、明日奈と一緒に安心させるように答える。
明日奈「失礼しまーす!」
ユウキ『し、失礼しま〜す。』
ラン『ふふ
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