第十六話 姉妹が会いその六
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「軍にも発言力があります」
「だからですか」
「軍のことはです」
まさにというのだ。
「お任せします、政のことは引き受けますので」
「さすれば」
「そちらはお願いします」
司教は軍には影響力がない、このことを自分でもよくわかっている。それで軍人でもありそちらへの影響力も強いオズバルト公に頼んだのだ。
「私は政治と宗教でマイラ様を支えます」
「そして私は武力で」
「それで二人で支えていきましょう」
「マイラ様、そしてこの国を」
「そうしていきましょう」
「では」
オズバルト公も応える、そしてだった。
二人は手を結んだ、そのうえでオズバルト公は再び言った。
「マイラ様とマリー様のことは」
「お会いしてですね」
「いいと思います」
彼も同じ考えだった。
「あの方の為にも」
「では」
「はい、ようやくという感じです」
「この時が来た」
「嬉しく思っています、ではです」
「マイラ様、そしてマリー様の周りを」
「お護りしましょう」
こうも話すのだった。
「ここは」
「そうですね、こうした時こそです」
「王国が仕掛けてきます」
「宮中にも王国の密偵が潜んでいるでしょう」
「その密偵がお二人に毒を盛ることが考えられます」
それ故にというのだ。
「ですから」
「お二方の身辺については」
「目を配りそして」
「怪しげな輩がいれば」
「その時は」
「然るべき手を」
打とうともだ、彼等は話した。マイラの側近達もマイラの為とはいえマリーについては大事に思ってもいた。
そのうえでだった、マリーとマイラが王宮の中庭において会う時にだった。
ロドネイ公はオズバルト公のところに自から参ってだ、彼に言った。
「今日はです」
「はい、共にですね」
「お二方をお護りしましょう」
「わかっています」
これがオズバルト公の返事だった。
「何としてもです」
「お二方に無事にお話して頂きましょう」
「そうあるべきですね」
「デューダー卿が確かめたところによりますと」
ロドネイ公は共にマリーに仕える同志の名前を出した。
「今のところです」
「王国の手の者はですね」
「いないとのことです」
「それは何よりです、それでなのですが」
「はい、太子もですね」
「あの方も協力して下さっています」
「我々に」
「この度の会談を歓迎され」
そのうえでというのだ。
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