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おたく☆まっしぐら 2016年の秋葉原
いらっしゃいませ、混沌
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り抜け本郷は公園へとたどり着く。
そこに女子高生は居た。
???「…………」
紺色に少し緑を足したようなロングの髪に憂いを帯びたような表情をする彼女。
見た目は文学少女のメガネっ娘だ。
明「貴様、なにやつ」
本郷は戦闘態勢をとった。
しかし、相手は不思議そうな目で本郷を見る。
???「あなたは……この世界の人間じゃない」
明「…………」
???「かすかにインフルエンスの痕跡がある」
明「無効化されたんだ」
???「……どうして?」
明「漢の強い妄想力だ」
インフルエンスは非現実を現実にしていくものだ。
妄想なくば進化はありえない。だから元居た世界は滅ぼされた。
この世界はすでに現実に固定化されている。
彼らが活動する意味はない。攻め込みたくば攻め込めるはずだ。
???「わたしは和泉 くるみ」
明「俺は本郷 明」
本郷は不敵に笑みを浮かべる。女子高生の目の前に仁王立ちする様は明らかな変質者だ。
だがくるみの顔は朱を帯びていた。本郷くんは外面はイケメンのオタク。
昔はたとえイケメンであっても人間扱いではなかったが、今は違う。
くるみ「あの……ラ○ン交換しませんか?」
明「いいぞ」
本郷はくるみのラインIDを手に入れた。
くるみ「また、会いましょう」
明「待て、まだ話は」
くるみ「インフルエンスの元となる本部は、まだこの世界を侵略するか決めかねています」
明「なに……」
くるみ「現実がこれほどまでに強力であると、もはや他の世界が入り込む余地はないのです。そして侵略する意味も」
明「ならなぜ俺の居たアキバは世界ごと滅んだのだ?」
くるみ「それは……あれほどまでにみなぎる非現実は類を見なかったからなのです」
本郷の元の世界は消失した。
くるみ「世界は現実に収束する。非現実はそれこそ0と1の狭間なのです」
明「ならこの世界は……」
くるみ「もう0になってるのかもしれないと思っていましたが、あなたの存在がまだそうではないという証です」
本郷は立ち尽くす。
インフルエンスの尖兵である、くるみは笑みを浮かべてその場を去っていった。
2016年の秋葉原は別の問題を孕んでいるのだ。
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