いらっしゃいませ、混沌
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オタクの今を見つめる2016年の秋葉原に本郷は降り立った。
明「……はむっ……うむっ」
サンボの牛丼をかきこみ、彼はスマホを操作する。
いつもの新作チェックだ。オタク文化をこよなく愛する彼は事前の情報収集に余念がない。
明「このあたりもご飯どころが増えたものだ」
2006年ではラーメン屋と牛丼屋の戦争であったが、今では飯屋の数のほうが多い。
電気と萌えの世界だったのが今はそれだけではないのだ。
しかしながら生憎と本郷は三次元への興味はそれこそ、南北戦争におけるビックスバーグ攻防戦並に興味がない。
明「……このアキバには混沌さが微塵もない」
本郷は少し退屈していたといってもいい。なぜなら彼の居た秋葉原はカオス。それこそ人外でさえもいた。今にしてみれば異常以外のなにものでもない。
明「いや、そもそもあの世界が異常だったんだ」
二次元世界の移ろいの歴史。それは世界線の変動を意味する。
明「そうだ、あの奨学生」
今も本郷のマイハウス(一人暮らし)に居候しているユーフェミアという自称吸血鬼なりきり厨がいる。
だが、本郷は彼女の話が嘘という確証は持てなかった。
明「ちゃんと話を聞かないといかんか」
本郷が席を立つと、窓越しに一人の女子高生が歩いていった。
そのとき本郷の背筋に薄ら寒い悪寒が伝わる。
明「……あいつ、まさか」
インフルエンス。
あなたの街のレスホームであり、教授と呼ばれた長官の研究によれば異世界からの侵略であるというが、その方法は謎に包まれていた。瑛との交流で本郷にもインフルエンスの尖兵の気配を感じることが出来るようになっていた。
明「いや、ここは俺の居たアキバではない。だが気配がある」
だがそれはあの当時、ネットは全容解明されてないくらいアンダーグランドな世界で、ゲームは異世界と繋がっているといわれても信じてしまうような非現実が許された世界。
ネット掲示板の中でのことは実際に本当であってもおかしくない。そんな時代であった。
2016年のこの世界に非現実空間なんてものは探しても存在しない。
明「ゲームのなかから侵略も難しい、だけど……」
秋葉原。
東京という舞台がファンタジーとしては色あせてしまったけども、秋葉原は幻想を残している。
秋葉原でならまだ何か起きる可能性はある。
明「なにかするならここしかない。秋葉原はその素養がある」
変化する街、その全貌が分からない街であるからこそだ。
駆け出す本郷。たとえ別の世界であっても彼はアキバの守護神。
オタク文化を守るものなのだ。
女子高生を追いかけてパーツ横丁へ。
人ごみの中を本郷は駆けるオタクの中を掻き分け、目指すはあの女子高生。
本郷の反応速度はアキバでは常人を遙かにしのぐスピードに変わる。
明「まだこの辺りにいるはずだ」
奨学生らをす
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