第二十七話 起死回生の一手
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石は・・・・やはり猛訓練を積んできていたのですね・・・・。」
鳳翔は目を細めたが、その時、輸送艦隊の東に警戒のために展開していた第五航空戦隊から無線が入った。無線封鎖をしているときに無線を使用する、それはよほどのことがあったということだ。
「どうしました?!」
鳳翔はあわただしく応答した。
「こちら、第五航空戦隊翔鶴。」
飛来する敵機及び砲弾を交わしながら、瑞鶴と二人まるでペアスケートをするように身をかわしながら翔鶴が報告した。その背後では雪風、鈴谷、熊野が果敢に応戦している。
「現在そちらから3キロほど東方において、敵機動部隊を確認。現在交戦中。そちらの方角にも一部の深海棲艦と深海棲艦機が向かいました。」
『おおよその数は?』
「戦艦2、重巡3、駆逐艦5、そして20機ほどの深海棲艦機が。」
『わかりました。無理をしないでください。』
「はい。」
無線を切った翔鶴はきっと敵艦隊をにらんだ。日頃の聡明で穏やかな彼女の眼ではない。
「瑞鶴。」
「何?翔鶴姉。」
「全航空隊を発艦させて、できる限り敵を引き付けるわよ。」
「ええっ!?私たちも囮になるの?」
「当り前です。皆さんが頑張っているときに私たちだけ逃げるのはよくないわよ、瑞鶴。」
「空母が敵と殴り合いなんて、聞いたことないわ。中破しないように気を付けないとね。って危ない、翔鶴姉!!」
瑞鶴が翔鶴の手を引っ張りあげた。そのすれすれを巨弾が落下して水柱を上げた。はっと顔を上げた二人の前に、ついに敵主力部隊が姿を現した。
「マジでか!?」
鈴谷が主砲を引き揚げて叫んだ。
「マズいですわ!!こっちには戦艦もいないのですもの。翔鶴さん、瑞鶴さん!!」
「早くしないと、こっちももちません!!」
3人の叫びはすぐに第五航空戦隊の二人に届いた。
「戦艦の有効射程!翔鶴姉、早く迎撃しないと!!」
「わかっているわ。行くわよ。」
二人は次々と艦載機を放った。
「全機、突撃!!」
反転した翔鶴が腕を振った。それに応じて、新鋭として加わった彗星、天山が一斉に戦艦ル級めがけて襲い掛かった。これを阻止すべく殺到した深海棲艦機に新鋭の紫電改が襲い掛かり、撃破していく。
「いっけぇ〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!」
瑞鶴の叫びに応えるかのように、天山雷撃部隊の放った魚雷が多数ル級4隻に命中し、大爆発を起こして吹き飛んだ。
「全機、攻撃の手を休めないで!!次目標、空母ヲ級エリート!!」
翔鶴が叫んだ。翔鶴の攻撃隊は大空に舞い上がり、そこから急降下して対空砲火をくぐり、次々と爆弾を投下した。
「負けていられませんわ!わたくしだって!!」
熊野の構えた主砲が火を噴き、続けざまにヲ級に命中、これを吹っ飛ばした。
「お、やるじゃん熊野。んじゃ、私もいっくよ〜〜〜〜〜〜!!!」
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