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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第五十九話 惑星イオン・ファゼガスを脱出します!
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た。もうこんな争いは前世だけで沢山だという顔をしている。
「私たちの、そして閣下の気が済むまでよ。あなたの持ち前の優しさとやらで負けた者の気持ちを汲んでやるのであれば、それにとことん付き合ってもらうわよ、フィオーナ。」
「そのために、無関係のこの世界の人々が巻き込まれることがあっても、ですか・・・?」
既にこの世界に転生してきて十数年がたつ。前世から数えればもっともっと長い期間こうした殺し合いと相対してきたはずなのに、フィオーナは殺戮を繰り広げることを嫌っているし、恐れてもいるのだった。そうした性質は何十年年月が立とうが、転生しようが変わることはなかったのである。
「何を言っているの?どうせ私たちがいようといまいと、奴らは戦争をするじゃないの。殺し合いをするじゃないの。私たちというエッセンスが少しばかり加わったからって、その勢いがかわることはないわ。」
アンジェの口ぶりは有無を言わせないものだったし、躊躇いが全くないものだった。フィオーナは反射的に剣の柄に手をかけていた。
「だったら今ここでけりを付けましょう。その方が巻き込まれる人が少なくていいんですもの。私個人の問題でカタが付くのなら――。」
「フィオーナ!」
教官の叱責にフィオーナは口を閉ざし、手をひっこめた。
「あなたに似合わない短慮だわ。こんなところで剣を抜いたりしている場合じゃないという事はわかっているでしょう!・・・・もう時間がないわ。ブリュンヒルトとヴァルキュリアの出立準備も終わったことだし、そろそろ行かなくては。」
この話合いは時間にして10分もあったかどうかわからないが、もう1時間も話しているようにフィオーナには感じられた。それほど気が重かったのである。
「残念ね。」
アンジェは冷たい口ぶりで言った。
「フィオーナ、これだけは言っておくわ。私が前世と同じ力量だと思ったら大間違いよ。今度こそあなたを・・・あなたたちを殺して見せる。」
「お〜怖い怖い。期待していますよ、先輩。」
ティアナがバカにしたような半分不機嫌そうな目でアンジェを見やると、フィオ行きましょう、と親友の背中に手を当てるようにしてさっさと連れ出していった。
「とりあえず今回の事は礼を言うわ。シャロンにはよろしく言っておいて。・・・・いずれ戦場で会いまみえましょうと。」
「伝えておきます。では、無事の御帰還を。」
皮肉たっぷりなアンジェの言葉を受け流すと、イルーナは歩きかけたが、ふとティファニーの方を見た。結局のところティファニーは硬い表情のまま最後まで口を閉ざしたままだったのである。
* * * * *
フィオーナはと息を吐いた。やはりアンジェらと剣を交えることは決まっていたというのか。前世でわだかまりや因縁を断ち切ったと思っていたのに。
「フィオは悪くはないわ。」
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