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Sword Art Rider-Awakening Clock Up
オレンジ&メタヴァーミン
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るわけではない。
しばらくして、俺は鋭い眼で橋の向こう、道の
両脇
(
りょうわき
)
に
茂
(
しげ
)
る木立のほうを
睨
(
にら
)
み
据
(
す
)
えていた。その口が開き、
一際
(
ひときわ
)
低く張った声が発せられた。
「そこに隠れてる奴、出てこいよ」
緊迫した数秒が過ぎた後、不意にがさりと木の葉が動いた。プレイヤーを示すカーソルが表示される。プレイヤーを示すカーソルが表示される。色はグリーン、犯罪者ではない。
短い橋の向こうに現れたのは、炎のような真っ赤な髪、同じく赤い唇、エナメル状に輝く黒いレザーアーマーを装備し、片手には細身の十字槍を携えてる。
「ロザリア、だな」
ロザリアと呼ばれた女性プレイヤーは唇の片側を釣り上げて笑った。
「私のハイディングを見破るなんて、なかなか高い索敵スキルね、忍者もどきさん。
侮
(
あなど
)
ってたかしら?」
「ああ。その通りだ」
「その様子だと、あんたも《プネウマの花》を狙ってんのかい」
嫌な気配を漂わせる言葉を聞いた途端、少しだけ頭に血が上がった。
「お前と一緒にするな。ロザリア、いや……
犯罪者
(
オレンジ
)
ギルド、《タイタンズハンド》のリーダー」
不意に、ロザリアの眉がぴくりと跳ね上がり、唇から笑いが消えた。
SAO内において、盗みや傷害、あるいは殺人といったシステム上の犯罪を
行
(
おこな
)
ったプレイヤーは、通常緑色のカーソルがオレンジへと変化する。それゆえ、犯罪者をオレンジプレイヤー、その集団をオレンジギルドと通称する。
しかし、ロザリアの頭上に浮かぶHPカーソルはどう見てもグリーンだ。だが、俺はその秘密をすでに見破っていた。
「オレンジギルドと言っても、全員が犯罪者カラーというわけじゃない。グリーンのメンバーが街で獲物をみつくろい、パーティーに紛れ込んで、待ち伏せポイントに誘導する。お前がまさにその誘導役というわけだ」
35層主街区《ミーシェ》でシリカを監視していた時から気づいていた。なぜロザリアがシリカとパーティーを組んでいたのか。それも納得できる。
「あのシリカって女の子と2週間同じパーティーにいたのも、彼女を狩るためだったんだろ」
ロザリアが再び毒々しい笑みを浮かべて言った。
「そうよ。あのパーティーの戦力を評価すんのと同時に、冒険でたっぷりお金が貯まるのを待ってたのよ。本当なら今日にも殺っちゃう予定だったんだけど」
わずかな間を作り、チラリと舌で唇を舐める。
「一番楽しみな獲物だったあの子が抜けちゃうから、どうしようかと思ってたら、レアアイテムを取りに行くって言うじゃない」
そこで言葉を切り、俺に視線を向けて肩をすくめた。
「でもあんた、目当てがあの子でもレアアイテムでもないなら、なんでこんなところまで来
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