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Sword Art Rider-Awakening Clock Up
オレンジ&メタヴァーミン
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が終わったら聞いてみよう、そう思いながらシリカが短剣を振るう間にも、孤を描く小道のループはほとんど急角度になっていった。激しさを増すモンスターの襲撃を退け退け、高く繁った木立の連なりをくぐると、そこが丘の頂上だった。
「うわあ……!」
シリカは思わず数歩駆け寄り、歓声を上げた。
空中の花畑、そんな形容が相応しい場所だった。周囲をグルリと木立に取り囲まれ、ポッカリと開けた空間一面に美しい花々が咲き誇っている。
「とうとう着いたな」
背後から歩み寄ってきたキリトが、剣を背中の鞘に収めながら言った。
「ここに……蘇生の花が……?」
「ああ。真ん中に辺りに岩があって、その天辺に……」
キリトの言葉が終わらないうちに、シリカは走り出した。確かに花畑の中央に白く輝く大きな岩が見える。息を切らせながら、胸ほどまでもある岩に駆け寄り、恐る恐るその上を覗き込む。
「あ……」
柔らかそうな草の間に、今まさに1本の芽が伸びようとしているところだった。視線を合わせるとフォーカスシステムが動き、若芽はクッキリと鮮やかな姿へと変わる。2枚の真っ白い葉が貝のように開き、その中央から細く尖った茎がスルスルと伸びていく。
その芽はたちまち高く、太く成長していき、やがて先端に大きなつぼみを結んだ。純白に輝くその涙滴型の膨らみを、錯覚でなく内部から真珠色の光を放ってる。
息を詰めてシリカとキリトが見守る中、徐々にその先端がほころんで、シャランと鈴の音を鳴らしてつぼみを開いた。光の粒が宙を舞った。
2人はしばらく身動きもせずに、小さな奇跡のように咲く白い花を見つめていた。7枚の細い花弁が星のように伸び、その中央からフワリと光が溢れては宙に溶けていく。とてもこれに手を触れることなどできないような気がして、シリカはそっとキリトを見上げた。キリトは優しい笑顔を浮かべながらゆっくり頷いた。
頷き返し、シリカは花にそっと右手を伸ばした。糸のように細い茎に触れた途端、それは氷のように中ほどから砕け、シリカの手の中には光る花だけが残った。息を詰め、そっとその表面を指で触れてみる。ネームウィンドウが音もなく開く。《プネウマの花》。
「これでピナを生き返らせられるんですね」
「ああ。心アイテムに、その花の中に溜まってる雫を振り掛ければいい。だがここは強いモンスターが多いから、街に帰ってからのほうがいいだろう」
「はい!」
シリカは頷くと、メインウィンドウを開き、花をそこに乗せた。アイテム欄に格納されたのを確認し、閉じる。
一方、キリトとシリカを尾行していた俺は、小川にかかる橋の中心に立ち尽くしていた。
だが、先へ進んでいったキリトとシリカを待ち伏せしてい
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