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Sword Art Rider-Awakening Clock Up
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っちゃったわ」
「いらないって言ったはずです!急ぎますから」
会話を切り上げようとしたが、相手にはまだシリカを解放する気はないようだった。目ざとくシリカの肩が空いているのに気づき、嫌な笑いを浮かべる。
「あら?あのトカゲ、どうしちゃったの?」
シリカは唇を噛んだ。使い摩は、アイテム欄に格納することも、どこかに預けることもできない。つまり身の回りから姿が消えていれば、その理由は1つしかないのだ。そんなことはロザリアも当然知っているはずなのに、薄い笑いを浮かべながらわざとらしく言葉を続けた。
「あらら、もしかしてぇ……?」
「死にました……。でも!」
キッと槍使いを睨みつける。
「ピナは、絶対に生き返らせます!」
いかにも痛快という風に笑っていたロザリアの眼が、わずかに見開かれた。小さく口笛を吹く。
「へぇ、てことは、《思い出の丘》に行く気なんだ。でも、あんたのレベルで攻略できるの?」
「できるさ」
シリカが答える前に、キリトが進み出てきた。シリカを庇うようにコートの陰に隠す。
「そんなに高難度の高いダンジョンじゃない」
ロザリアはあからさまに
値
(
ね
)
踏
(
ぶ
)
む視線でキリトを眺め回し、赤い唇に再び
嘲
(
あざけ
)
るような笑みを浮かべた。
「あんたもその子にたらしこまれた口?見たとこそんなに強そうじゃないけど」
悔しさのあまり、シリカは体が震えるのを感じた。
俯
(
うつむ
)
いて、必死に涙を
堪
(
こら
)
えた。
「行こう」
肩に手が乗せられた。キリトに
促
(
うなが
)
され、シリカは宿屋へと足を向けた。
「ま、せいぜい頑張ってね」
ロザリアの笑いを含んだ声が背中を叩いたが、もう振り返ることはなかった。
しかし、その光景を建物の陰から眺める者がいたことは、まだ誰も知らなかった。
《《
風見
(
かざみ
)
鶏亭
(
どりてい
)
》の1階は広いレストランになっている。その奥まった席にシリカを座らせ、キリトはNPCの立つフロントに歩いていった。チェックインを済ませ、カウンター上のメニューを素早くクリックしてから戻ってくる。
向かいに腰掛けたキリトに、自分のせいで不愉快な思いをさせてしまったことを謝ろうと、シリカは口を開いた。だがキリトは手を上げてそれを制すると、軽く笑った。
「まずは食事にしよう」
丁度その時、ウェイターが湯気の立つマグカップを2つ持ってきた。目の前に置かれたそれには、不思議な香りの立つ赤い液体が満たされている。
パーティー結成を祝して、というキリトの声にコチンとカップを合わせ、シリカは熱い液体を一口すすった。
「……おいしい……」
スパイスの香りと、甘酸っぱい味わいは、遠い昔に父親が少しだけ味見させてくれた
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