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Sword Art Rider-Awakening Clock Up
第1層ボス攻略会議
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が、ボス戦が終わったら、きっちり白黒つけさしてもらうで」
振り向き、スケイルメイルをジャラジャラ鳴らしながら集団の前列まで引っ込む。斧使いエギルもまた、それ以上言うことはないというように両手を広げると、元居た場所へと下がった。
「よし、じゃあ会議を再開しよう」
ディアベルはガイドブックを手に取り、ページを開き眼を通しながら第1層のボスについて説明を始める。
「このガイドブックによると、ボスの名は《イルファング・ザ・コボルドロード》。それと、《ルインコボルドロード》という取り巻きが3匹いる。ボスは四段あるHPバーの最後の一段が赤くなると、武器を曲刀カテゴリーの
湾刀
(
タルワール
)
に持ち替え、攻撃パターンも変わるとのことだ」
ディアベルがそこまで説明し終えた途端、「これならいけるかも」「俺達は勝てる」などと、自分達の勝利が既に約束されたかのようにプレイヤー達がざわめいた。
ボスの情報は、ひとまずベータ時とまったく同じだが、ベータと本番が必ずしも同じとは限らない。本番ではボスが未知の力を発揮する、といったケースがSAO以前のMMOゲームにもあった。これはSAOも例外ではないはず。万が一そうなった場合、頼れるのは自分自身だけだ、と俺は心の底から自分に言い聞かせていた。
「ボスに関する会議は以上だ」
再びナイトが口を動かし、張りのある声で叫んだ。
「みんな、今は、この情報に感謝しよう!」
聴衆がさわさわと揺れる。その発言は、元ベータテスターとの対立ではなく
融和
(
ゆうわ
)
を選ぶとも取れるからだ。
「出所はともかく、このガイドのおかげで、ボス攻略が思ったより速く済ませられそうなんだ。正直、すごくありがたいって俺は思ってる」
広場のそこかしこで、色とりどりの頭がうんうんと頷く。
「……こいつが正しければ、ボスの数値的なステータスは、そこまでヤバイ感じじゃない。もしSAOが普通のMMOなら、みんなの平均レベルが3……いや5低くても充分倒せたと思う。だから、きっちり戦術を練って、回復薬いっぱい持って挑めば、死人ゼロで倒すのも不可能じゃない。俺が騎士の誇りに賭けて約束する!」
よっ、ナイト様!というような掛け声が飛び、盛大な拍手が続いた。ディアベルがなかなかのリーダーシップの持ち主であることは、
捻
(
ひね
)
くれ者の俺も認めざるを得ない。ギルドは3層まで行かないと作れないが、その暁には
定
(
さだ
)
めしかい攻略ギルドを立ち上げることだろう。
「それじゃ、まず近くにいる人とパーティーを組んでみてくれ!何はともあれ、レイドの形を作らないと、役割分担もできないからね!」
SAOでは1パーティーが6人。この場にいるのが45人。7パーティー作って3人余る。そのうちの1人が……この俺だ。
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