294部分:第四十話 揺れる大地その六
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第四十話 揺れる大地その六
「それでいいな」
「わかった」
アルゲティは真面目な顔で頷いた。
「それで頼む」
「ちぇっ、しっかりしてるねえ」
この言葉から親父が実際にぼるつもりなのがわかった。
「あんた達もぼんくらじゃないってことかよ」
「こうしたことには慣れているのでな」
アルゲティはこう彼等に返すのだった。
「それでな。やり方はわかっている」
「本当にしっかりしてるね。まあこれで終わりさ」
親父はあらためて言った。
「それでだ。飲み物はどうするんだい?」
「ビールはあるかい?」
「あと他には何があるんだよ」
青銅の者達がまた彼に尋ねる。
「とにかくあるのもらうからよ」
「何があるんだよ」
「ビールなら一杯あるぜ」
親父が明るい顔で話してきた。
「あとワインもな」
「では両方貰うか」
アルデバランが彼のその言葉に答えた。
「両方な。それでいいか」
「あいよ。じゃあどんどん持って来るな」
「よし、じゃあ頼むぜ」
「どんどん貰うからよ」
こうして彼等はこの羊の丸焼きを食べていくのであった。そうしてそのうえで食べていく。そのうえで街で最もいいホテルに入る。そこで休むがアルデバランだけは。一人夜の街に出るのであった。
「流石だな、タウラスよ」
「わかっているのだな」
街を一人歩く彼の上から声がしてきた。その石の建物の上からの声であった。道も白くそういったものが全て白銀の月に映し出されていた。
次はその柔らかな光で街を照らしている。その世界の中で声がしたのであった。
「我等が来ているということが」
「既にな」
「その通りだ」
アルデバランもまた彼等に告げた。
「それだけの気を出していればな」
「ふむ。それでわかったのか」
「我等の気配で」
「小宇宙を隠すことは容易ではない」
アルデバランはこうも言うのだった。しかし顔は上にはやらない。その影は白銀の光によって緩やかに映し出されていたのだった。
「誰であろうとな」
「ではだ。話は早いな」
「そうだな」
彼等はあらためて言ってきた。
「我等の相手をするというのだな」
「一人で」
「その通りだ。見よ」
アルデバランがこう言うとだった。すぐに宙にタウラスの黄金聖衣が現われた。それは瞬時にして分かれアルデバランの全身を覆ったのであった。
「これでよいな」
「闘うつもりだというのだな」
「だからこそだけここに来た」
また言うアルデバランだった。
「貴様等と闘う為にな」
「それではだ。我等も」
「今ここに姿を現わそう」
こう言って姿を現わしてきた。それはインプ達であった。無数の彼等が既にアルデバランを取り囲みそのうえであの三叉の槍をかざしていた。
「では。よいな」
「タウラス
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