ターン57 鉄砲水と叛乱の歯車
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ルのようなもので、この向こう側の世界にユーノがいるのはわかった。もうすでに体の半分以上が暗闇に沈んでいて、どうあがいても抜け出すことはできそうにない。精霊の力を借りようにも、デュエルディスクもカードを引く腕もすでに足元に沈んでいる。
なら、せめてできることをするしかない。
「……十代っ!」
「どうした、清明!?……うわっ、本当にどうしたんだよ!?」
大声で、親友の名前を呼ぶ。幸いにも僕の声は届いたらしく、すぐに駆けつけてきてくれた。絶句する十代の後ろからも、どかどかと他のメンバーが口々に叫びながら走ってくる。
「……十代、訳を説明してる暇はないんだ。ちょっとドジ踏んじゃってね、今から別の世界に飛ばされるのさ」
「あ、清明」
たったこれだけ話している間にも、僕の体は既に肩まで沈んでしまった。視点が低いので見上げるような形になりながらも、これだけの取り返しのつかないことをしてしまった人間としてせめて最後の責任を果たすために声を上げる。
「僕のことは気にしないでいいから、皆は早くレインボー・ドラゴンのカードを……必ず、絶対、アカデミアを基の世界に戻して!せめてみんなだけでも、正しい世界に帰って!」
「なんなんだよ、一体何が起きてるんだよ……!」
「いつかまたどこかで会えたら、その時はきっと話すから、さ。皆のことは頼んだよ、十代」
最後に半ばやけくそで目一杯カッコつけたところで、全身がすっぽり呑み込まれる。それとほぼ同時に、僕の意識も闇に飲み込まれた。
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