ターン57 鉄砲水と叛乱の歯車
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が、その効果により相手プレイヤーに直接攻撃ができるドリル・バーニカルのカード。クロノス先生の残りライフはこれまでの過程ですでに200、これなら。
だがそんな思考を読んだかのごとく、不気味な笑顔を作るクロノス先生。その笑みに応えるかのごとく、機械の龍の尾が動いた。まるで槍のように突き出されたそれが、僕の体を直撃する。
古代の機械熱核竜 攻3000→清明(直接攻撃)
清明 LP900→0
「な、なん、で……」
「ガジェットモンスターを素材とした古代の機械核熱竜は、1ターンに2度の攻撃が可能となるノーネ」
「く……」
負けた。完敗だ。たった1ターンで、初期値そのままだったはずのライフポイント全てが奪われた。膝をつく僕の目の前でゆっくりとソリッドビジョンが消えていくと、入れ替わりにその向こう側からパチパチとやる気ない拍手をしながら遊が歩いてくるのが見えた。
「いやー、負けちゃったねぇー?残念残念、だけど負けちゃったんだし、何か罰を受けてもらおうかなー?じゃ、お仕置きっと。あ、もうそっちはどうでもいいよー」
明らかに楽しそうに指を鳴らすと、クロノス先生がまるでおもちゃのスイッチでも切ったかのように唐突にその場に崩れ落ちる。かすかに胸のあたりが上下しているところを見ると、単に気を失っただけのようだ。
そしてクロノス先生についてはそれでいいが、気になるのはその次の不穏な言葉だ。
「お仕置き?」
「そ、お仕置き。だって負けちゃったんだもんねー、まさかそれでペナルティー無しなんて甘い話があるなんて思ってないよねー?」
足元の床に突然穴が開き、遊が喋る間にもみるみるそれは広がっていく。穴、といっても明らかにただの穴ではない。中が闇に塗り潰された、得体の知れない異空間に繋がっているような代物だ。どうにかそこから逃げ出そうとして、よりによってこの最悪のタイミングでデスベルトが光り出す。ほんの一瞬だけ動きが鈍った隙に人間が余裕で入れるぐらいのサイズになると、ゆっくりとその中に僕の体が沈み始めた。
「うわ……!これは!」
「ユーノは今、異世界にいるんだよ」
「え?」
「せっかくだし、同じところに送ってあげよう。別に今はそこで野垂れ死んでも生き残っても、どっちでもいいや。ほら、この間会った時に君の味方してた富野っていたでしょー?君が『ストーリー上明らかにおかしな場所と時で』死んだりしたら僕の居場所を彼にばらすことになっちゃうからそういう意味では生き残ってくれる方が楽でいいけど、別に来たら来たで今度こそ返り討ちにすればいいだけだしねー」
相変わらず、何を言ってるのかの半分も理解できない。むしろ脳がどこかで、理解することを拒否しているような感覚さえ感じる。だけどこの穴が異世界に繋がるトンネ
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