ターン57 鉄砲水と叛乱の歯車
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中すべきだ。光の結社との決着を待たずに、僕には見当もつかない理由から何処へかと去っていったユーノ。今どこにいるのか、何をしているのか……なんでもいい、知りたかった。
「どういうこと?ユーノがどこにいるのか、知ってるの?」
「ああ、知ってるよー。で、どうなの?知りたい?知りたくないー?」
見え透いた罠だ。この異世界にまで突然現れて、唐突にユーノのことを持ち出すなんて裏があるとしか思えない。だけど、ユーノがいなくなったその理由にこの男が何らかの関わりを持っているであろうことは、ほぼ間違いないとみていいだろう。なにせ遊と敵対しているらしい男、富野に連れ去られるような形で最後にユーノは消えたのだ。いまだにユーノを取り巻く話は全体像が見えてこないためうさんくさいことこの上なく、信用するかどうかは置いておくとしても、今のところ唯一の情報源として話を聞く価値ぐらいはあるはずだ。
「……知り、たい」
「そうそう、そうやって素直なのが人間一番だねー。だけど、ただでは教えられないかな」
「何が言いたいのさ……!」
会話のペースを完全に握られ、どんどん泥沼にはまり込んでいく感覚がする。だけど、僕にはもうどうしようもない。主導権はあちらにあるのだ。
そして遊は、そんなこちらの心中も見透かしたように……というか多分、見透かされてるんだろう。その上でおちょくってきてるのだろう。
「あっはは、警戒してるねー。別に何もないよ、ただの気まぐれ暇つぶし。まーせっかくだし、デュエルでもしてもらおっかな?僕が相手すると瞬殺だし、この人とさ」
そう言って背を返し、返事も聞かないうちに背後にあった扉を開く。そこから出てきた、ずっと待ち構えていたらしい人影を見て、顔が引きつるのが分かった。つい先ほど、僕らをこのテニスコートに入れるためたった1人でゾンビ軍団の足止めを買って出てくれた、僕らにとって最高の教師。
「クロノス先生!」
「デュエルゾンビ、だっけ?なんも考えてないから気楽でいいねえ。面白いデュエルしてくれればそれでいいからさー、ちょっと相手してあげてよー。そしたら教えたげるよ」
「さあ、授業を始めるノーネ……」
元から不健康そうな顔なうえにデュエルゾンビ特有の隈などのせいでさらに不健康そうになった顔でにじり寄ってくるクロノス先生から、じりじりと下がって距離を取る。当然向こうはその分だけ近寄ってくるのでまた下がると、すぐ後ろの壁にぶつかってそれ以上下がれなくなった。やっぱり洗脳をかけてるモンスターがどこにどれだけいるかわかったもんじゃないのと、レインボー・ドラゴンのカードが来さえすれば帰る目途が立つからってゾンビたちを放っておいたのはまずかったか。少し前に三沢が倒した憑依するブラッド・ソウルだけで終わりなら、こんな難しいことにはな
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