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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第五十八話 脱出開始です!
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どうか、それが心配であった。
一行は足を速めた。残りの一キロを歩きさえすれば、出口につくと分かった瞬間から足が速く動くようだった。
■ ラインハルト・フォン・ミューゼル大将
あの迎賓館での襲撃は何者が仕掛けてきたのか、俺にはわからない。だが、はっきりと言えることは自由惑星同盟の奴らは戦機・勝機・そして好機を失ったという事だ。和平に向けて話し合いを継続すれば、まだ奴らの寿命は数十年は持つことになっただろう。国力が十分に回復すれば、例の建設中の要塞を完成させた暁に、帝国に向けて逆侵攻を行うことも可能だ。ところが、一部の奴らの暴走を制御できなかったことが奴らの破たんを生むことになった。自由惑星同盟の奴らの仕業かどうかはこの際問題ではない。要はそれを防げなかったことがまずかったのだ。
宇宙港に引き返し次第、ブラウンシュヴァイクらは都市惑星イオン・ファゼガスを脱出し、帰路に就くことを選択するだろう。だが、それが果たして最良の選択肢かな。
帝国との和平交渉が不調に終わったと同盟が悟った瞬間、同盟全土が敵になるという事、そしてその真っただ中に孤立無援になることを奴らは分っているのだろうか。たった500隻では同盟軍一個艦隊が殺到した瞬間にあっと言う間に宇宙の塵になることだろう。
ここは帝国の度量の広さを見せ、何事もなかったかのように振る舞い、再度交渉に臨む姿勢を相手に見せつけることだ。ただし、このイオン・ファゼガスではなく、再びイゼルローン回廊若しくはフェザーン回廊付近にまで後退し、そこで改めて交渉を行うと言えばいい。同盟もそれには反対しないだろう。何しろ自分たちの足元で火事が起こったわけだからな。
さて、今後の俺の役目はブラウンシュヴァイクらを無事に帝都オーディンまで護衛することになりそうだが、果たしてそううまくいくかどうか、な。
先ほどからキルヒアイスの顔があまり良くない。今回の和平交渉の決裂を思っているのだろうか、そうだとしたらキルヒアイス、それほど気に病むことはないぞ。どのみち自由惑星同盟と帝国はこの一回で和平を結べるほど親しくはないのだからな。
■ジークフリード・キルヒアイス大佐
自由惑星同盟と銀河帝国が恒久的な和平を実現する。夢物語のようだが、それが実現すれば両国の間に戦禍は途切れ、それぞれが内政に専念することができる。全体としては理想であるが、それではラインハルト様の台頭の道が閉ざされることになる。そうなればアンネローゼ様を奪還することも、帝国に住まう民をよりよい幸福への道に導くこともできなくなってしまう。
だから今回の迎賓館襲撃が発生した時、どこかでほんの少しだけだが、ほっとした自分を見出してやり切れない思いがした。自由惑星同盟の人々の幸福よりも、帝国臣民、いや、ラインハルト様とアンネローゼ様のことを思ってしまう私は罪
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