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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第五十八話 脱出開始です!
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は踵を返すと、先頭に立って歩き出していった。
「教官。」
「フィオーナ、私は一度彼女たちと話してみたいと思っていたの。もちろんシャロンとも話してみたいと思うのだけれど、その前に彼女たちがこの自由惑星同盟に転生した理由、そして動機を、今後どうするのかを。」
「そんなことたった一言でカタが付きます。『私たちを今度こそブチ殺すため!!』でしょ?」
「ティアナ。短絡的にそう決めつけるのはよくないわ。本当はあなただってそう思っていないはずよ。時空・ヴァルハラという壁を越えて、私たちは再びこの銀河英雄伝説の世界で巡り合えたわ。前世でけりがつかなかったことを・・・・もう一度けりを付けるいい機会だと思っているの。」
イルーナ・フォン・ヴァンクラフトの言う「ケリ」が殺し合いでも決闘でもないことをフィオーナとティアナは肌で感じ取っていた。曲がりなりにもそれは前世ですべて終わっている。イルーナの言う「ケリ」とはおそらくきっと―――。
「まだ出口につかんのか!?」
後ろからイライラした叫びが聞こえてきた。ブラウンシュヴァイク公かリッテンハイム侯かわからないが、あまりにも長い地下通路に嫌気がさしてきたらしい。3人がアンジェとティファニーを見やると、冷ややかな答えが返ってきた。
「後1キロで出口です。ここまで数キロ歩いてきたのですから、1キロくらいなんでもないでしょう。」
「これほどの広さのトンネルだ、せめて車か何かそういったものは回せなかったのか?!気の利かぬ奴め!」
リッテンハイム侯爵が護衛たちに囲まれながら苦々しそうに言っている。他方のブラウンシュヴァイク公爵は無言であったが、疲れと苛立ちが全身を包んでいるように見えた。二人は大貴族の長である。かしずかれ続けた生活にどっぷりつかっているのである。自らの足で歩くのには慣れていないし、何よりも長時間不自由な状態に置かれることに対する免疫がそれほど備わっていないのである。ラインハルトとキルヒアイスの二人はやや離れたところに立って二人の大貴族を見ている。表情は分らないが、内心あきれきっていることだろうと3人は思った。
「口を慎まれよ、リッテンハイム侯爵。」
見かねたミュッケンベルガー元帥が注意する。助けられた立場で何を言うのか、という色合いもあったろうが、ここで下手に刺激してかえって藪蛇になることを恐れていると言った風だった。
「ともかく今は一刻も早くここを出ることが先決だ。案内お願い仕る。」
ミュッケンベルガー元帥の言葉にアンジェとティファニーは無言で歩き出した。二人とも胸の内では相当怒りをためていることだろう、とフィオーナは思っていた。アンジェもティファニーもプライドが高い。下僕同然に扱われることや頭越しに怒鳴りつけられるのを何よりも嫌う。そうしたことをやってのけたリッテンハイム侯爵に何か後で報復が来ないか
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