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ドリトル先生の名監督
第七幕その二

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「僕はそちらが特に駄目なんだ」
「だから出来ないんですね」
「それでも観ることは出来る」
「だからですね」
「顧問をされてるんですね」
「そうなんですね」
「そうだよ」
 まさにというのです。
「だからなんだ」
「お相撲の本を読まれて勉強されてる」
「そうですか」
「うん、こうして学んでみるとね」 
 これがというのです。
「奥が深い武道だね」
「そうですね、歴史も長いですし」
「日本の国技ですしね」
「技も多くて」
「習わしとかも何かとあって」
「うん、学べな学ぶ程ね」
 それこそというのです。
「知ることがあるね、例えば」
「例えば?」
「例えばっていいますと」
「うん、織田信長さんも好きだったね」
 戦国大名だった人です、戦国の世を終わらせる天下人にさえなっています。
「あの人もね」
「何か相当お好きだったみたいですね」
「よく観戦もされて」
「力士の人に褒美を与えたとか」
「そんな話もありますね」
「うん、武士の鍛錬にも使われていたしね」
 お相撲はです。
「励むものだったし神事でもある」
「そうそう、お相撲って神事でもあるんですよね」
「力士さんと神主さんって近いんですよね」
「そうしたこともですね」
「学んでいくとわかりますよね」
「うん、そうしたことも勉強して」
 そうしてというのです。
「色々わかってきたよ」
「お相撲のことがですね」
「そうなんですね」
「何かと」
「そうなんですね」
「うん、お相撲は面白いね」
 実に、という口調で言いました。
「学んでいて思ったよ」
「お相撲は出来なくても学ぶことは出来る」
「そうなんですね」
「それでお相撲の本も読まれて」
「相撲部でもお話されてますか」
「そうなんだ、ただ僕は褌はね」
 ここで苦笑いになった先生でした。
「あれは着けないね」
「お相撲をされないからですね」
「だからですね」
「うん、それにね」 
 さらにというのです。
「力士さんの褌もそうだけれど普通の褌もね」
「無理ですか」
「穿かれないですか」
「トランクスだね」
 先生の下着はというのです。
「そちらだからね、僕は」
「ボクサーパンツでもないですか」
「最近流行りですけれど」
「どうもそうしたお洒落な下着はね」
 先生にとってはというのです。
「僕は無理だね、褌もお洒落だけれど」
「褌ってお洒落ですか?」
「そうですか?」
「別にそうは思わないですけれど」
「褌がお洒落とは」
「特に」
「いやいや、日本の昔の下着としてね」
 つまり日本の服としてというのです。
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