第百十七話
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がってるのに、ここからどんな顔してステージまで行けばいいの!?」
「せっかく《隠蔽》してるんだから、そのまま飛んでいったらどうだ?」
「そそそそうね、セブンを待たせるわけにはいかないもの!」
そうしてレインは柱の陰から翼を展開し、ステージの方に飛翔していく――気配がした。
『レイン! レイン!』
「えっ――あっ――」
そして物陰から脱して空中に飛翔したことにより、いくらレベルが高いとは言っても《隠蔽》スキルの効果は切れ、大空を飛翔してのド派手な登場となった。慌てきって《隠蔽》スキルの効果範囲も忘れていたようで、レインがこちらに恨めしげか泣きそうか、判断に困る表情を向けながらヤケクソでステージに飛翔する。
「ショウキ……あの」
「……リズ? そっちの作業は終わったのか?」
エンディングクレジットがあれば、演出の覧に名前が出るだろうか――などとくだらないことを考えていると、また別の場所で作業をしていたリズが、おずおずとこちらに話しかけてきていた。彼女らしくない歯切れの悪さに、俺は中断していた作業の手を進めながら聞くと。
「うん。こっちの仕事は終わったんだけど……あんた、さっきから1人で何を喋ってるの……?」
「いや違う誤解だ」
『わたしたちの歌を聞けー――!』
本気で心配しているような表情のリズに何とか説明をしていると、向こうでは無事にステージが始まったらしく。こうして、俺たちの――打ち上げが産声をあげたのだ。
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