第百十七話
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く、共にプレイヤーキラーたちと戦った、シャムロックの面々もだった。1パーティーのみでのフロアボス攻略という前代未聞の事態に、1人のプレイヤーとして最後まで当事者でいたいとのことで。リーダーであるセブンが最初から友好的のため、フロアボスという敵対する理由がなければ、特に対立する理由がないのも確かである。同じくクラインやルクスのように、最初からセブンのファンであるメンバーなどは、積極的に語り合っていた。
……おかげで黒鉄宮一帯を独占しているようで、とても道行く無関係のプレイヤーには迷惑だろうが。
「でもこれ、よく考えたらチャンスじゃない? みんな武器の耐久値下がってるだろうし、この人数ならメンテナンスだけでも、割といい値段に宣伝になるし……」
「確かに。よし、やろ」
「いらっしゃいませー! リズベット武具店でーす!」
「……早いな」
なにせ自分たちとシャムロックとの戦いに、プレイヤーキラーたちとの戦いと、連戦を繰り広げてきているのだ。自ずと武器や防具の耐久値は減っているのは当然であり、それを直せるのはレプラコーンである自分たちだけ――と俺も考えた矢先に、もうリズはコンパクトな鍛冶セットを広げ、客寄せを行っていた。
そんな彼女に苦笑いしながらも、俺も揃ってコンパクト鍛冶セットを広げた。予想通りにシャムロックのプレイヤーたちが食いつくものの、それらのプレイヤーは全てリズの列に並んでいく。
……自分が客だったら同じことをするだろうが、いざ当事者の立場となると怒りが舞い込んできた。とりあえずメンテナンスにかこつけて、リズについて馴れ馴れしく話しかけたシャムロックのプレイヤーに、眼光だけで殺気の威圧を込めておく。
「……メンテナンスを頼む」
「いらっしゃい」
こちらからの殺気に反応したベテランVRプレイヤーが、1人、また1人とリズとの会話を切り上げて去っていく。キチンとメンテナンスが終わってから、リズに纏わりつくと殺気が発生するので、お客様である間は丁重に扱うお店である……と評判にならないだろうか。そんな中でこちらにメンテナンスのお願いが来たので、珍しい奴がいるものだ――と、顔を見てみると。
「……スメラギ」
「ああ。礼が遅れたが、今回のことは礼を言いたい」
見知った顔だった。刀のように鋭い目つきに目立つ長身のウンディーネ、シャムロックのリーダーたるスメラギの姿だった。リズベット武具店からお求めいただいた野太刀を受け取ると、ひとまずは刃に砥石を添えていく。
「随分傷ついてるな……制作者としては、嬉しいやら悲しいやら」
「……言っておくが。その損傷は全て、お前とのデュエルでついた傷だ」
「…………」
値段以上に念入りな手入れをしてやろうと決意すると、野
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