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039「妖精さん、ロリドワーフの過去の傷を知る」
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い残虐な生物なんだよ。
おかげで、アタイの人生は散々さ。
下手したら手足を切断されていた未来も有り得たかもね。
まぁ、アタイら亜人は、手足を失っても再生するんだけどさ。どういう原理かは知らないけどね」
『剣で躾する人間様とか……なにそれ怖い。普通、鞭だろ』
『鞭で、ミカドワたんをパシーンパシーン調教したい』
『細胞核が機械だから、生命力が凄いのかお?』
亜人のデタラメっぷりに、シルバーは驚いたが、その動揺を表に出さずに隠した。
亜人を構成する細胞。その中心が機械で出来ている時点で、何でもありなのは容易に受け入れられる。
さすがに手足まで再生できるデタラメさを持っているのは予想外だったが。
……それよりも、今はミカドワに危害を加えたゴミどもの事を聞かなければいけない、シルバーはそんな気がした。
「人間って……あのハムスターみたいな顔をした奴らか?
態度がとっても悪くてウザい感じの」
「そうだよ。しかも、旦那と、ちょうど揉めている村の奴らにね。
アタイを誘拐して低賃金で働かせるわ、無理やり、ドワーフを増やすために、家畜みたいに種付けをやらせようとするわ、とんでもない奴らだよ。
普通の女性だったら、虐待されて死んでいる所さ」
『普通の女性って何だお?』
『転生者疑惑があるロリ娘だから、人間(ホモ・サピエンス)だったら、とっくの昔に死んでいるって意味じゃね?』
「……そんな事を聞いてすまん、ミカドワ。
あ、この石鹸は受け取ってくれ。
別に対価は求めてないから」
そう言ってシルバーは、右手に持っている薬草石鹸を、ミカドワに手渡した。
その瞬間、邪悪なる欲望の神々が――
『よっしゃ!妖精さん!身体で慰めてあげるんだ!』
『妖精さん!今だ!ラッキースケベ展開!』
『転んだ振りをして、ミカドワたんを押し倒すのです!』
『ロリドワーフと子作りはよ!』
そんな邪悪なる誘惑を、シルバーは拒絶し、ミカドワに背を向けて、この場から飛び立とうとした。
だが、ミカドワが、その背中に声をかけてきたから、ショタ妖精は飛ぶのを中断する。
「……旦那」
「ん?どうしたんだ?」
「旦那は、きっと、人間どもを虐殺するよ。
アタイら亜人と、人間は生態が違いすぎるからね。
だから、今のうちにお礼を言っておくよ。
……ありがとう。
人間どもを殺してくれてありがとう」
「いや、そんな事でお礼を言われてもな……。
まだ虐殺すると決まった訳じゃないんだぞ?
そりゃ交渉が拗れたら、殺す可能性もあるけどさ」
「アタイは、あいつらに許せないくらい深い恨みがあるんだ。
これ以上は……話したくないね。人間どもの話をするだけでイラつくよ。
あと、そこのお前達!
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