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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達
287部分:第三十九話 炎の魔神達その十

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第三十九話 炎の魔神達その十

 アルデバランは彼等だけになると。すぐに後ろに顔を向けて言うのだった。
「それではだ」
「はい、それでは」
「どうされますか?」
「車に戻る」
 厳かかつ重厚な声で告げたのだった。
「いいな。そして旅を再開するぞ」
「えっ、それだけですか?」
「他には何か」
「他に何か言うことがあるのか?」
 逆にこう問い返してくる程だった。
「まだ何かあるのか?」
「いえ、まあそう言われますと」
「ちょっと」
 問い返されてみると返答に窮する聖闘士達だった。
「それはありません」
「俺もです」
 青銅の者達は彼等の間でそれぞれ顔を見合わせながら言うのだった。
「別に何も」
「ありませんけれど」
「そうか、ないのか」
「ええ、特にありません」
「そういうことです」
 やはりこう言う彼等だった。彼等には何もないのだった。
「別に雑兵達もいないようですしね」
「特に」
「まあいずれわんさと出て来るでしょうけれど」
 それは彼等も予想しているのだった。既に三つの地域での戦いで常に圧倒的な数の雑兵達を前に出してきているからだ。それはもうわかっているのだ・
「今は出て来ないみたいですしね」
「ですから」
「何も言うべきことはないか」
 ここでも念を押すように彼等に問いはした。
「そういうことだな」
「はい、その通りです」
「じゃあ俺達はそれで」
 彼等の言葉は変わらなかった。
「車に戻って旅を再開しましょう」
「楽しんで」 
 そんな話をしていくのだった。アルデバランは彼等の言葉を聞くと次には白銀の者達に顔を向けた。そうして今度は彼等に対して問うたのだった。
「御前達はどうだ?」
「俺はあいつ等と同じです」
「俺もです」
 モーゼスもアルゲティも同じことを言うのだった。
「今は言うことはありません」
「別に」
 彼等もそうなのだった。
「今はすぐに行くことがいいかと」
「敵も出て来ないでしょうし」
「そうか。それではだ」
 彼等の意見が同じなのを全て聞いたうえで言うアルデバランだった。

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