初動編
MTM:初動編 第4話「賭退(チャンス)」Cパート 後半
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それを見た天桐は、
「・・・ひ、引き分け」
と口に出した。
一方、アルベルトは黙っていたが
「・・・フン」
鼻を鳴らした。
外で待っていた加埜は、試合が終わったのを見て、すぐさま天桐のいるポッドに駆け寄った。
するとプシューとハッチが開くと、中から汗だくの天桐が出て来た。
「ぐわぁー」
天桐は叫ぶと床に倒れ込んだ。
「おい、大丈夫か」
そんな天桐の側に寄って、加埜は様子を見た。
「あちー、すげー熱い」
天桐はヘルメットを外しながら
「み、水」
「え?」
「水くれ水」
「いや、持ってねぇーよ」
と水が欲しいという天桐にやりたくても持っていない加埜は困っていると。
「ほらよ」
と突然、天桐に飛んでいったものを天桐は反射的に掴み取った。
ミネラルウォーターのペットボトルだ
相手は、投げたアルベルトだった、彼も一本手に取りキャップを開けて水を飲んだ。
「プハー。熱いバトルの後の一杯はいいねぇ」
とそういうアルベルトに
「おい、この中すげー熱いんだけど、どうなってんだよ」
天桐がそう文句をつける。
「こいつの空調機能がまだちゃんと出来てねーんだよ」
とアルベルトは再びゴクゴク飲む。
天桐も急いで開けて水をがぶ飲みした。
お互い空になるまで飲み干すと。
「くそ、引き分けか。あと一歩だったのに」
天桐は悔しい顔をしながらそう言った。
「いや、お前はすげー頑張って」
加埜はただ励ますしかなかった。
「いや、違うな」
「え?」
天桐と加埜はアルベルトを振り向いた。
「このゲーム、・・・俺の負けだ」
アルベルトが突然、そう言い出したのだ。
「お、俺の勝ち?・・・だって引き分けって」
と天桐はアルベルトにそう言うと
「システムがそう判断したかもしれないが、先に倒されたのは俺だ。」
アルベルトは判定結果を消してそう撤回したのだ。
「じゃあ、俺の勝ちなのか」
「あぁ、お前の勝ちだ」
「じゃあ、戦車は」
「あぁ、約束だ」
天桐は立ち上げりアルベルトに寄って。
「信じていいんだな?」
「あぁ、男に二言はないさ」
とアルベルトは天桐を向かい合って言った。
「そうか。・・・そうか、やったのか俺」
天桐は嬉しさの余りか少し目が涙で滲んだ。
そして、右手で目を拭いて
「ところで、ア、四十院」
「アルベルトだ」
「え?」
「俺のことは、アルベルトと呼べ。正直、あまりその苗字で呼ばれるのは嫌いだ」
「そ、そうか。・・・じゃあ、俺のことは士良でいい」
天桐はそう言うと、アルベルト近づき手を差し伸べた。
「これから、よろしく頼むぜ」
アルベルトはそれに対して
「フッ。あぁ、期待しなリーダー」
と握手をした。
あれから
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