その微笑みは...... 【雪桜(希う者)】
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イトとはいえ名前も覚えていなかったので名乗ってくれて助かった。とはいえ今更何をしに来たというのか
「どうしてここに来たんだ?」
答えにくそうにしている高坂と南をみてか、園田が口を開いた。
「実は、あなたのことがあって警察の人がいらしたのです。それで全員が事情聴取を受けて、あなたに手を出していた人は全員、なんらかの罰に問われました。中には退学処分となった人もいるようです。それから……、」
そうか、もう処分まで決まっていたか。
だが俺にはもう関係ない話だな。聞く必要ない。
だが、そうはならなかった。
「……、っていてそれでいじめが始まって少ししたときに私たちの口から、μ’sのみんなにはこの件を話してしまいました。その件については本当に申し訳ないと思っています。」
μ’sに話した。つまり、真姫はこの事を知っていたわけだ。
ということはあるときから真姫が帰りに誘ってくることが増えたのもそのためかよ。
は、はっははは、はははは……、
隠し通すなんて無理だったのか。
情けねえ。女に守れてるようじゃ意味ないじゃないか。
彼女らが突きつけた事実は俺の心をさらに不安定にさせ、俺の後悔の念は強まるばかりだった。
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それから月日が流れ、彼は退院を迎えた。
季節は初夏から冬へと移っていた。
彼の住んでいた家にもう彼の両親は住んでいないが、家に帰って来るなという意味も込めてこの家を残していったどこかへ行ったのだろう。
彼の心はあれ以来ほとんど変化していない。
欠落した感情は戻らず、替わりに一つの想いが彼の心に芽生えた。
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都内某所
人で賑わう居酒屋の明かりが届かない、路地裏に、ひっそりと佇む彼。
生ごみの腐敗する臭いが漂うなかで、彼は罪を犯そうとしていたいた。
時刻は午後9時
彼は火を放とうとしていた。
周りに人はいない。ここで火を放てば死人が出ずに罪を受けられると思ったのだ。
すべては真姫への償いと自分を罰するがため。
そっと、生ゴミの山に火を放った。
ごうごうと大きく燃え上がる。
彼は火が周辺へ広がりつつあるを確認してその場を去った。
今の彼は死にたい訳ではなかった。
贖罪するため。彼自信の禊を済ませないうちに彼は死ねなかった。
案の定隣の大通りにも火が回り、被害さえ出始めていた。
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家に帰ってきた。あとは国家権力が自分が犯人たる証拠を持ってうちに来るのを待つだけだ。
ふと、あの火はどうなったか気になりテレビをつける。
目に飛び込んできたのは一面火の海と化した東京の映像。
どこの局を見ても同じことを報道している。
瞬間、映
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