loss of memory〜幸せの意味〜 【アラタ1021】
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ら、似たような状態で同じ状況にあるらしい。
よかったってほど安心はできないけど、私一人だけじゃないって思えるだけでも精神的にかなり重荷が落ちる。
『そう‥‥。わかったわ。とりあえず今日は夜も遅いし、明日の放課後に部室で話しましょう? あそこには皆集まらないみたいだから』
「うん。分かったよにこちゃん」
『はい。じゃあ早く寝なさいよ。辛くても明日は来るんだから』
ため息の混じった、にこらちゃん特有の大人の口調。声も性格もどちらかといえば子供っぽい方が多いんだけも、こういう時にかっこいいから惚れ惚れしちゃう。にこちゃん、ほんとすごい。こんな状況なのに、私に気遣いができるだけでもすごいよ。
「ふふ。にこちゃん私のお姉ちゃんみたいだね」
『リアルに三人も下の兄弟連れてたらそうなるわよ』
「そうかもね‥‥。それじゃあ、おやすみなさい」
『ええ、おやすみ』
◇◆◇◆
そしてやってきた翌日の放課後。
私はクラスで任されてある戸締り係の仕事を終わらせると、すぐに部室へと向かう準備をしていた。
心は昨日の夜よりはかなり軽くなり、唯一見えた希望に心が揺れる。もちろん凛ちゃんや真姫ちゃんは昨日のままだけど、にこちゃんが同じ境遇にあるというだけでもかなり気の持ち方は楽だ。こんな不謹慎な事言うと、怒られてしまうかもしれないけれど。
教室をでて、小走りで部室棟の一階へと向かう。一分もかかっていないだろう。通いなれたアイドル研究部の部室に到着した。昨日は誰もいなくて真っ暗だったそこに、今日はにこちゃんが居てくれる。
一度、軽く深呼吸。
意を決して扉をーー開けた。
「きゃっ!」
パァン! パァン! パァン!
部屋に入った瞬間。急にいくつもの破裂音が重なって部屋に響いた。
ーー何が起こったか、分からない。
予想だにしない事態にびっくして顔を覆うように腕で守っていると、部屋の中からほんのり煙の匂いが鼻をついた。
匂いは全く濃くはないが、一度は嗅いだことのある匂い。わずかに視界をくぐもらせ、奥の光景を確認することを阻む。
そして少しづつそれは薄れ‥‥。
遂にっ!
「せーのっ!」
『ドッキリ! 大成功!!!』
「そしてもう一ついくにゃ!」
『花陽ちゃん(かよちん)!! お誕生日おめでとう!!!!』
この日私は、自分の幸せを知った。
(ウォール企画おまけ
にこ「てことで今回のドッキリは、花陽ハッピーバースデー! &記憶喪失ドッキリでし
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