loss of memory〜幸せの意味〜 【アラタ1021】
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のクウォーターということもあり、血筋故に髪の毛は金髪、人よりも肌は白い。
彼女の言葉に対し、室内にいるメンバーは各々首肯で返事をする。どうやら皆しっかりと理解出来ているようだ。
しかし、尚も不安な色を浮かべながら、おずおずと挙手する者が一人。
「あ、あの、やっぱり花陽ちゃんが可哀想なような‥‥」
高橋春人。
彼女達μ'sの協力者であり、今回のドッキリ対象者である小泉花陽の幼馴染みだ。
ふわりとした黒髪と長身が特徴的な、スクールアイドルの彼女達とつるむには明らかに似つかわしくない男の子。彼は少し前からお手伝い役としてμ'sのサポートをしている。
もちろんμ'sのグループメンバーとしてステージに立つ訳では無いが、彼もまた、この中に必要とされる大切な面子。
「ここで怖気づいてちゃだめよ! みんなで今日まで何度も話し合ったんだから、絶対うまくいくはず。 っというか、だいたいドッキリをしようって最初に言い出したのあんたでしょう? 」
春人の意見に対し、にこは食いかかるように真向から否定した。
そう。実はこのドッキリ企画は彼、こと春人の発案で始まったものなのなである。明後日という日を、花陽にとって最高の一日にしてあげたい。そんな思いで、普段は意見することが苦手な彼が覚悟を決めて出した案なのだ。
まあ、もともとは花陽にサプライズをするというのが根本の目的だったのが、作戦会議を重ねるうちにドッキリになっていたのは‥‥彼の誤算である。
春人は観念するように挙手した手を下げた。
「そ、それはそうですけど‥‥」
「よぉーし! それじゃ明日から作戦開始!!!」
ある程度締まったところでμ'sのリーダー、高坂穂乃果は片腕を天に突き上げた。同じメンバーとして、花陽にとっておきのサプライズを届けたい。そんな思いで彼女は全員の中心に入り自ら気合入れをする。
こうして、花陽への『記憶喪失ドッキリ』が幕を開けた。
◆◇◆◇
凛ちゃんがこない。
時間にして、ドッキリ本番直前会議が行われた翌日の朝。
花陽を除いたμ'sのメンバー、そして春人が作戦を開始すべくそれぞれ行動をしている頃のこと。
小泉花陽。こと今回のドッキリ対象者は、幼馴染みと毎朝待ち合わせをしている場所に立ち尽くし戸惑いの表情を浮かべていた。
なんでだろう? 浮かぶ疑問。
凛ちゃん。こと花陽の幼馴染みである星空凛は時間にルーズな性格があり、少し遅れることはしばしば、いや昔からよくあることなのだが、親に携帯電話を買ってもらってからは必ず『かよちん先に行ってて!』とか『凛、今日少し遅れるかも!』といった連絡が来るのである。
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