Lv29「不死王の世界征服12〜反乱終了のお知らせ終〜」
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こんな大虐殺ができる奴が、新しい支配者っ……?」
都市を住民ごと消し飛ばす。そんな事を苦もなく、害虫駆除感覚でやってしまう怪物が新しい君主。
どんな暗黒時代が始まるのか、想像もできない。
どう見ても、人間を虫けらとしか思っていないような気がする。
都市を潰した事すら、蟻の巣に溶けた鉛を流して遊んだ感覚だったら、やばい。人類の存続そのものが危うい。
遊び半分でなぶり殺しにされて絶滅しそうだ。
「ワルキュラ様が第二射を撃つぞー!
そこの人間!もっと離れろー!」
また、上空から骸骨の声が聞こえた。サムソンの手足は、反射的にガラス谷から離れる。
全速力で場を去ろうと駆け抜ける。あまり鍛えていない手足なのに、なぜか上手く動いた。
擦り傷だらけで激痛を感じるが、そんな痛みに構っている場合じゃない。
グズグズしたら、謎の攻撃に巻き込まれて殺される。
そして、昼間なのに真っ暗闇の空間が到来する。何も見えない空間を走り続ける。
身体のすぐ近くを、膨大な熱が通過するのを感じる。
一瞬の出来事だったが、サムソンの着ている獣の毛皮を使った衣服に、火が付くには十分だ。
「うわぁぁぁぁぁぁ!!」
すぐに地面に寝転がって、土で火を消そうと足掻く。
おかげで、火は無事に鎮火し、光が溢れた世界が再び帰って来た。
だが、半壊した都市の方はそうはいかなかった。
都市の周辺は、壁で覆われているが、金持ち以外の家は木造建築が多い。
すぐに大炎上して、遠くから生き残った人間の悲鳴が聞こえる。
全身火ダルマになりながら、高層アパートから飛び降りる人影が一瞬だが見えた。
「い、生きたまま焼き殺しているんだっ……!」
ワルキュラの意図、サムソンには手に取るように実感できる。
人間を都市ごと焼き殺す事で、見せしめにしているんだ。
『俺に逆らったらこうなるぞ』という未来を見せつけるために――不必要なレベルで人間を苦しめて殺しているのだ。
やはり、血も涙もない。不死者どもの帝王だ。
こんな怪物に、人類の未来を委ねる訳にはいかない。
王国は終盤になってから、平民達を奴隷のように酷使してきたが、ワルキュラの圧政に耐えられるとは到底思えない。
何時か、ワルキュラを倒す機会を得られる、その日までに抵抗軍を作り、それを維持しなければ、人類の命運は絶たれる。
サムソンは、遥か遠い地にいる悪の帝王を倒すべく、決意するのだった。
「化物どもぉー!この世界から!駆逐してやるー!」
「第三射がくるぞー!逃げろぉー!そこの人間ー!」
第三射で、衣服が燃えて、サムソンは裸になり、彼は無職へとクラスチェンジを果たし、逃げた。
一瞬で、抵抗の意思がポッキリと折れてしまった。
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