Lv25「不死王の世界征服G〜夢、終わる時〜」
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演技館は、扉を潜ると不思議な空間が広がっている。
扉は一つしかないのに、無数の部屋へと繋がっているのだ。
ワルキュラが一人で入れば、スターとは違う部屋へ。
スターが一人で入れば、演技講座の講師がいる部屋へと繋がる……そう、スターは考えている。
「演技に必要な事は、堂々とした姿勢ザマス!
成りきろうと思う心を捨てるザマス!正々堂々と振舞う事で、演技ができるザマスよ!
この、おフランス口調なのも演技ザマス!おフランスは異世界にあるおフランスな国ザマス!
それじゃレッスンスタート!ザマスー!」
実際の所、ここは何でもありの夢の世界。
部屋と講師がその場で生成されている可能性もあるから、深く考えると怖かった。
「早く演技するザマス!
考え事をしながら仕事をするのは駄目ザマス!
仕事とプライベートの切り替えをしっかりするザマス!」
スターは、深く息を吸う。そして、ゆっくり肺の中の空気を吐いた。
気分を落ち着けて、共産国での日常を思い出し、指をズビリッ!と講師に突きつけて――
「あなた、仕事に失敗したわね?」
「申し訳ないザマス!」
「いえ、許さないわ……アナタは開拓地送りよ!」
「良い演技ザマス!その冷たい目線があれば、きっと部下は従ってくれるザマス!
でも、たまには微笑んであげるのも、必要不可欠ザマスよ!
鞭ばっかりを上げていると、部下が自殺して刑事事件になるザマス!
そしたら会社は終了ザマスよ!」
ズビシッ!
スターの心が痛くなった。開拓地は強制収容所という意味だ。
収容所で自殺する人間は大勢居すぎて、数え切れない。
共産国が潰れたら、徹底的に批判されて、痛くて苦しい拷問された末に、処刑ENDだろう。
「ふむ……スター殿は、開拓の仕事も手がけているのか……
投資した費用を回収するのが大変なのに凄いな……」
スターの後ろで、呑気そうに考察しているワー君の存在が微笑ましかった。
見当違いの内容を想像してくれている。そう思うだけでスターは安心できる。
でも、毎回、嘘に嘘を重ねないといけないから、騙しているような気分になって辛かった。
「しかし、左遷先が開拓地とは珍しい……。
普通、辞職届を出してやめたりしないのだろうか?」
「ふ、不景気だから、他に就職先がないのよ。
だから、開拓地送りになっても従ってくれるの
(開拓地という名前の強制労働所に、人民を送っているなんて、ワー君に言えない……)」
「開拓地の事業は儲かるのだろうか?
後世のためになる凄い事業だと思うが、一つの会社がやるには金が足りない気がするのだが……」
「ほ、ほら!
辺境の方が良い資源が眠っている事があるから、色々と役に立つのよ!
それに変革は、辺境からやっ
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