Lv24「不死王の世界征服F〜ドリームランド〜」
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はぁ、リターンを考えて行動したら、夢の世界も台無しになっちゃうわ……」
そうやってスターが悲しげに愚痴っていると、 後ろから懐かしい声が響いた。
「おや?スー殿か。久しぶりだな」
とっても優しい男性の声だ。スターは顔を満面の笑みに染めて振り返る。
そこに居たのは――十代後半ほどの少年がいた。
外見が若いが、何百年も生きたかのような威厳があって不思議な……ちょっと気になる幼馴染だ。
スターは、嬉しさを隠せなくて、涙がちょっと出る。
「ええ……久しぶりね、ワー君。
なんか、1年ぶりに再会した感じがする……」
「うむ、ドリームランドで出会うのは二週間ぶりだな。
スー殿が元気そうで何よりだ」
「ワー君は、何か……顔が疲れてる感じだわね……。
現実で何かあったの?」
利害関係なしに親しい友達を作れる。そこがこのドリームワールドのメリット。
「聞いてくれスー殿……部下が酷いのだ。
俺に相談をせずに、なぜか勘違いして暴走して、世界征服をやろうと……」
「え?世界征服?」
「あ、違った。
せ、世界中の制服を勝手に集めてしまったんだな、うむ。
おかげで大騒動になってしまったのだ」
「それは大変ね……。
誤発注って奴かしら?」
スターは、ワー君のセリフの数々から、彼が商社が何かに勤めているんだなぁと、今更ながら確信した。
世界中の制服を買い集めるとなると、世界的な大企業じゃないと難しいだろう。
その時点で資本主義者な気配が漂うが、ワー君は特別枠だから、スターは気にしない。
「うむ、大変なのだ、スー殿。
昔から長い付き合いがあるのに、部下の誰もが、俺の事を理解しようとしてくれない……
いや、理解してくれたのは師匠くらいか……?」
「その気持ち……分かるわ。
上司って辛いわよね……部下を導くついでに、国を導かないといけないし……」
「国?」
「こ、故郷の事よ!ほら!
故郷の事を故郷って呼ぶでしょ?」
「なるほど、スー殿は中々に大きい企業を経営しておられるのだな。
それはとても凄い事だ。女性を差別する国が多いのに頑張っているのだな」
「ええ、私はとっても大きい組織を背負っているの」
スターは言えなかった。
自分が現実で共産国のトップをやっていて、大量の人間を粛清したり、強制労働所で働かせている現実を。
こんな事を言ったら、きっとワー君は幻滅して二度と会ってくれない。そんな予感がバリバリする。
何故か世間での評判は『悪の帝王ワルキュラと、紅い大魔王スターのどっちが悪党なの?』と比較され、先進国から非難されて悲しい。
おかげで、未だに未婚だ。男達はスターを見るだけで忠誠を捧げるか、命乞いをしてきて恋愛どころじゃない。
ぶっち
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