Lv24「不死王の世界征服F〜ドリームランド〜」
[2/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
貧相なアパートの一室だった。
「やっと……この時間がキタ━(゚∀゚)━!!」
スターは布団から飛び上がる。着ている黒いパンツが、味気のない白いパンツへと変わっていた。
ここは夢の世界ドリームワールド。
ワルキュラが降臨した頃から存在すると言われる夢世界。
現実で眠れば、誰でも、ここに来る事ができると言われている。
現実より自由で快適で、治安が良い最高の世界だ。
各種施設も無料で遊び放題。学校で学びたい放題。
共産国の有名人のスターだって、蝶蝶の仮面を被れば、平然と出歩く事ができる。
だが、ここに滞在できるのはせいぜい5〜8時間、それ以上滞在すると幽霊系アンデットが大量にやってきて追い出される。
時間を無駄にしたくないスターは、すぐに目立たない白いワンピースを着て、貧相なロリボディを隠して笑顔になる。
これでもう、仮面を被った、どこにでもいる小学生にしか見えないはずだ。
いつもと全く違う雰囲気だから、知人と出会っても本人だとばれる事はないだろう。
「夢の世界だ?らんらん?」
ホップ、ステップ、ジャンプ〜。白いスカートがヒラリッと宙を舞う。
スターは現実からの責務に開放され、無邪気な子供へと戻った。
「まずは……遊ぶわ!
……少しだけ」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
30分ほど、ゲームセンターで、帝国製のレースゲームを楽しんだ後、スターはとある場所を目指した。
この夢の世界は、移動時間を短縮するために、念じれば何処でも移動できるようになっている。
なんでこんな素敵な世界が、ワルキュラの降臨と同じ時期に存在したのかは分からないが、魔法の専門家が言うには『圧倒的な絶望を感じて、皆が現実逃避した結果がこれだよ!』と言っていた。
恐らくは、人類にとって現実が辛すぎるが故に、夢の世界が充実した空間になってしまったのだろう。たぶん。
不幸中の幸いという奴なのかもしれない。
「夢の中でも、仕事のために使っている私って一体……。
何が夢の世界よ……」
スターの遊びの時間は、最初の30分で終わった。
次にたどり着いた目的地は―― ドリームランド演技講座館。
『夢の世界でなら君もトップアイドル!』『現実でアイドルをやるのは楽じゃないよ!全く!』『二次元アイドルには勝てないよ!ウンコしないし!』などという夢をぶち壊す看板が幾つもかけられている。
現実で共産国のアイドルをやっているスターにとって、ここは必須な教育施設だ。
ここで学んだ演技のおかげで、大国の指導者として上手くやっていけている、そんな気がする。
教育設備だけは無駄に充実しているから、この夢世界は大好きだ。
おかげで、そのせいで、夢の中でも、勉強ばっかりしている。
「時間を無駄に使っていると……ついついここへ来てしまうのね。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ