暁 〜小説投稿サイト〜
Lv.9999億の骸骨(勘違い物)・ω・`)ノ
Lv23「不死王の世界征服E〜偉大なる慈善事業〜」
[2/2]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
ーは嫌な気持ちになった。
気分転換をするために、窓の方を見る。
馬車が移動して、商国の町並みがカーテンの隙間から見えた。。
帝国から購入した自動車という機械が、少数だが街中を動き回っている。
立派な建物の一部は、看板の数々を見れば、帝国を拠点に持つ大企業だと分かった。

「こんな所まで……大魔王ワルキュラの魔の手が迫っているなんて……。
一体、商国は何を考えているのかしら?
お金を稼げても、未来がなければ意味がないのに……」

道行く人々は、裕福そうな連中を多く見かけた。そんな所がとっても気に入らない。
商売で成り立っている国だけあって、お金持ちが多いようだ。
だが、やはり資本主義の闇もそこに広がっている。
一瞬、路地裏が見えた。貧乏そうな身なりの人間や亜人達が、嫉妬心混じりに表道を睨んでいた。
彼らは資本主義の恩恵を受けられなかった負け組だ。
富を至上主義とする社会では、有意義な労働力を提供できない底辺層は買い叩かれて、何の価値もない。
無職になった時点で、家と投票する権利を失うから、政治家も動いてくれない。

「こんな社会、絶対、間違っているわ……。
きっと帝国のせいでこんな事に……え?」

馬車は表道を通り過ぎる。
一瞬、本当に一瞬だが、可笑しい光景が見えた気がした。

「おーい!ワルキュラ様からの配給だぁー!
美味しいシチューだぞー!
たっぷり飲めっー!」

「シチューはムダが少ない完璧な料理なんだぁー!」

数人の白い骸骨達が、大きな鍋を持ってホカホカなシチューを、路地裏の貧困層に配っているように見えた。
とっても優しそうで呑気な光景だった気がする。
スターは十分ほど思考停止した後に――戦慄した。

「な、なるほどっ……!
ああやって人間を懐柔して……最後に裏切って……!
絶望させる気ねっ……!
なんて悪辣な化物なのかしらっ……!
骸骨の癖に、こんな事までやるなんて……悪党にも程があるわよっ……!」

悪の帝王ワルキュラ。
実際に会った事はないが、外見が骸骨だから、きっと分かり合えるはずがない。
異なる価値観と価値観は衝突するのだから。

「商国にここまで化物が浸透しているなんて……人類はもう駄目かもしれない……」

--------------------------------------------------------------------------------



首相「食料支援は成功しておりまする、ワルキュラ様
(民衆を味方につけて、いずれ征服なさるための準備に違いない)」

ワルキュラ(イメージアップになったら良いなぁ……)

[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ