Lv22「不死王の世界征服D〜烏合の衆〜」
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」
「証拠はここにないから後日持ってくるわ!
全くの矛盾がない証拠をね!」
「証拠があるのにこの場にないとか……スター主席殿は何を考えておるんじゃ?
これだから赤い大魔王は困るのう。
ひょっとして帝国と裏で繋がっていたりせんか?」
鬼姫の嫌がらせに、スターの憤怒が冷え切りながら燃え盛りそうだった。
国際会議の場で、面子を潰す行為そのものがありえない。
人類共通の敵ワルキュラがいるのに、どうしてこうまで内ゲバするのか謎すぎた。
過去に共産国が鬼族連に侵略して、首都の女性を兵士たちに給料代わりにプレゼントして、国土を半分ごっそり貰った記憶があるが、それはもう過去の事である。
共産国を今更、敵対視するなんて大人気ないにも程があった。
「にゃー、生者同士で争っている場合じゃないのにゃー」
商国のニキータが、争いの鎮圧に乗り出した。
この大きな猫も、場の主導権を握ろうとしている素振りを見せているからスター視点では、ムカツク猫である。
「吾輩達が争っても、得をするのは帝国だけですにゃ。
全員が団結しても、勝ち目は薄いのに勝率をわざわざ下げるのは良くないのにゃ」
「共産主義は人類史で唯一の絶対正義よ。
正義は勝つって、相場が決まっているの」
「にゃにゃっ。スター殿の考えは面白いですにゃー。
でも、この場に参加している国で、空軍を保有している国は何国ありますにゃ?
気球とか、空飛ぶ魔道士とか、飛行船じゃなくて、ヘリや戦闘機を保持している意味での空軍ですにゃー」
ニキータの残酷な問いかけ、挙手は当然――ゼロだった。
「この敗北主義者……」 スターは小さい声で呟いた。
「空を抑えられている以上、戦っても無謀ですにゃー。
まだまだ耐え忍んで、国力を増強させて頑張る時期なのにゃー。
吾輩も苦しいけど、歯を食いしばって美味い食べ物を我慢してますにゃー大変にゃー」
そう言って、ニキータは大きいなお腹を見せつけて笑った。
スターの青い目で、目の前の猫をどう見ても、肥え太った猫にしか見えない。
商売と技術力に優れた商国にとって、今の状況が一番儲かって嬉しいのだろう。
実際に戦いが起こらず、適度な緊張状態であるが故に、高い兵器を大量に売りさばけるのだから。
「ひたすら時を無駄に刻んでも、人類は絶滅するわよ?
四大理事国の一国(人間王国)は崩れ去り、とうとう三大理事国になってしまったわ」
離反する国々がたくさん出てくる。
その可能性は高かった。
特に帝国と隣接する事になった弱小国家群は、すぐに媚を売って骸骨の骨を舐めるだろう。
「でも、今、戦っても……勝ち目は皆無ですにゃ?」
「アナタ、さっきから何を言いたいの?」
「良い商談がありますにゃ。
帝国から
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