Lv21「不死王の世界征服C〜飢饉はワルキュラ様の陰謀だったんだよ!〜」
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メンバーとも言えるデスキングですら、この有様だ。
「いいかっ……?
まずは思い出してほしいっ……!
キャベツが大豊作すぎて、問題になった時の事をっ……!
あの時……陛下は、キャベツを畑で潰して、キャベツ相場を安定させるという苦肉の策を取られたっ……!
だが、これは……遠回りな人間王国への攻撃だったのではないだろうかっ……?」
「「た、確かにっ……キャベツを大量に潰して相場を調整すれば、他の野菜の値段が上がって、人間王国の飢饉は更にひどくなる……?」」
「ま、まさかっ……!?そんな裏があったなんてっ…!?」
「陛下の残虐なる戦争計画の一端だったのか!?」
大臣達が、仕える君主の非情さに、恐怖を覚えたようだ。
チラッチラッ!とワルキュラの骸骨顔を覗いている。
ワルキュラは言いたかった。賞味期限が超短いキャベツを、海外に輸送して売りさばく手間暇考えろと。
そもそも人間王国と帝国は敵対関係。関税率は恐ろしく高く、王国の消費者にキャベツが届く頃には、原価の50倍ほど高い価格になっているはずだ。
そんな超高級キャベツ、誰が買うのだろうか?
値段が高くなれば、需要がその分だけ劇的に減るのは、経済の素人だって分かる。
(それ以前に、あんなクリーチャーなキャベツを、他人に食べさせるのは不味い……。
自分で肥料を捕まえて、野生動物を撃退するキャベツとか、どんな副作用があるのか分からなくて怖い……)
ワルキュラが、一人で考え事をしている間にも、デスキングの妄想は続いた。
「そうだっ……!偉大なる陛下はっ……!
キャベツを大量に潰す事で、人間王国の食料相場を上げさせて、民衆の生活にトドメを刺したのだっ……!
陛下が本当に助ける気があるなら、キャベツを潰さずに送っていたはずっ……!
だが、現実はっ……!キャベツを一つも送らなかったっ……!」
「た、確かに!その通りだ!」
「やはりデスキング殿が言っているように、全ては陛下の策略だった!?」
(あばばばばばっ……!)
いつの間にか、大悪党にされている現実に、ワルキュラは戦慄した。
骸骨顔なおかげで、激しく動揺しても周りに全く悟られない。
心臓がないから身体が震える事もない。
「しかもっ…民衆は自分たちの生活を守ってくれる指導者に従うっ……!
今回のワルキュラ様の人道支援でっ……!民衆はワルキュラ様を絶大に支持するという事だっ……!
これが飢饉を演出する事で得られるっ……!帝国の利益の一つだと思われるっ……!
さらにっ!まだ疑問があるっ……!
人間王国が容易く降伏した事実っ……!
普通の国なら戦争になるはずだっ……!
これにも、きっと深い意味があるはずっ……!」
「「ま、まだ、今回の話に奥があると!?」」
「「そ、それ以上は駄目
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